実感・・・

私事ですが、実家の父が入院してしまい、その際に感じた事をひとつ…confident

父が入院した病院は、我が家より約70Km離れた所で通うのに時間がかかります。障がいのある長男が事業所を利用している間に、行って帰ってくるようにはしたのですが、予定通りにはいかないこともあります。

ある日、「今日はピアノの日だから、仕事が終わったら行かんばよ~。お母さんはおじいちゃんの病院に行ってくるね。」と言いながら、はたと思いました。  もし、この子が1人で行けなかったら、「連れて行けないから、今日はピアノを休んでね。」って言わなくちゃいけないんだろうな~と。

土曜や日曜は病院に連れて行きますが、時には「日曜は○○に行く!」と、自分のイベントを優先したがります。「う~ん、じゃあヘルパーさんと行ってね。」と言いながら、またもやはたと思いました。   もし、この子がヘルパーさんと出かけない子だったら、「だめだめ、おじいちゃんの病院について来なさい。」ということになるんだろうな~と。

また逆に、「私がこの子を連れて行かないと…!」と思えば、私が自分自身のやるべき事や、やりたい事を我慢するということにもなってしまうでしょう。

私たち親は、小さい時から障がいのあるわが子の自立を願い、あれこれと頑張ってきました。その中で、1人で出来るようになる事もあれば、支援が必要なこともあります。でも、どんな方法であれ、本人はもちろん、親にとっても、自分のやりたい事をやれるって事は、とっても幸せなんだなあと改めて思いました。

これまで、行方不明になって、警察や見知らぬ人のお世話になったりしたことも何回もあり、1人で行かせるなんて考えもできなかったわが子ですが、タイムケアに参加してあちこちへ行ったり、ヘルパーさんと出かけたりしたことで、場所や公共交通機関にも慣れ、ちょっとは土地勘も出来ているようです。帰りが遅いと心配していると、「バスを間違えた~。○○で乗り換えて帰って来た。」と、帰ってくる事もあり、頼もしく感じる時さえあります。

育成会タイムケアは「体験」を大切にしています。これは、多くの親の実感に裏打ちされたものなのです!!

すみませ~んcoldsweats01 またもや前置きが長くなりました。今回はゴールデンウィーク頃の活動を中心にご紹介しますhappy01

“実感・・・” の続きを読む

旅立ちのとき…

 春は別れと出会いの季節ですね。

 障がい児対象のタイムケアは高校3年生の3月までしか利用していただけないので、3月の卒業と同時にタイムケアも卒業になります。スタッフにとっても子どもたちとの別れは寂しい限りで、わが子の巣立ちのように感慨深いものがあります。そして、タイムケア活動の中での仲間との楽しいやりとりや、我慢したこと、挑戦したこと、失敗してがっかりしたこと、成功して大喜びしたこと・・・、これらのたくさんの思い出や経験を、新しい生活の中でも生かしてもらえたらなあと願っています。

 また、子どもたちだけでなく、タイムケアにスタッフとして来てくれていた大学生も、卒業を迎えて巣立っていく人もいます。タイムケアの中で、障がいのある子どもたちと関わって感じた事や、身についたことを忘れずに、これからもそれぞれの地域で、障がいのある方達への良き理解者、支援者になってもらいたいと願っています。

では、春休みの活動からいくつかご紹介します。春休みもたくさんの子どもたちが利用してくれました。楽しい思い出がたくさんできたかな?

  

 

“旅立ちのとき…” の続きを読む

本人の身になって…

 ある日のこと、ある式典のアトラクションの時にステージの方に急に駆けだした子がいました。その子を追って、抑え込んだタイムケアスタッフの様子を見た理事長から、こんなお話がありました。

「例え、本人がその状況を分からなくても、本人の身になってみれば、大人に身体を拘束される事は良い環境とはいえません。どうして走り出たのか、必ず理由はあるはずです。しかし、その理由を本人は言えないから、走り出る本人が悪い、だから抑え込まれても仕方ないとなってしまいます。本人の人権を無視したような、そういう図式を育成会の中で作らないようにしましょう。将来、子どもたちが一人前に扱われるように、尊重されるような支援が連続であればいいですね。」 都t

経験や挑戦を大事にする育成会のタイムケアでは、「危ないから」あるいは「できないからやらせない」「じっとしていられないから連れて行かない」ということはほとんどありません。「前回ダメでも今回はできるかもしれない…」という思いで見守っています 。現にそういう事が何度もありました。そのような活動の中で、「危ない」「迷惑をかける」などの理由で、咄嗟に手をつかんだり、時には力ずくで動きを止めようとする時があり、知らず知らずのうちに、「一人前に扱われていない」ような声掛けや支援もあったかもしれないと反省しています。

 そのような活動の中で私たちスタッフは、そういう状況に陥らないために、常にその子の様子を見守り、事前の配慮に気をつけながら支援していかなければならないことを再確認し、今後は「本人の身になった支援」について、スタッフでもっと深く考えていきたいと思います。 

では、タイムケアの活動の様子をご覧下さ~い happy01

“本人の身になって…” の続きを読む

あの子ばっかり…

前回、参加者に対しマンツーマンで対応する場合とそうでない場合があるというお話をしましたが、それに関連したお話をひとつ。

スタッフミーティングの際に、あるスタッフがこういう報告をしてくれました。

「ある日Aさんが何度かみんなと違う行動をしようとするので、理由を聞いてみると、『Bさんはいつも好きなように動き回るのに、どうして私はダメなんですか?』と言ったそうです。『Bさんにはスタッフがついてるけど、Aさんにはついていないから、みんなといっしょにいないと、見失ったりして心配になるから。』と答えたんですが、スタッフがついていないお子さんに、今以上にもっともっと気を配ってあげなきゃいけないと思いました。」

マンツーマンで対応するお子さんは、スタッフが1人(場合によっては2人)ついて一緒に活動します。そうでないお子さんたちは、自ら進んで、またはスタッフの声掛けで団体行動ができるお子さんなので、当然誰かがつきっきりというわけではありません。もちろん、スタッフが話しかけたり、活動に誘ったりするので、マンツーマンではないお子さんが活動中ひとりというわけでもありません。

Bさんは、1ヶ所にじっとしているのが苦手なお子さんなので、Aさんからすると、好きなように動き回っていると感じたのでしょうね。担当がいるから自由に動き回れるのではなく、動き回るから担当がついているのですが、Aさんにしてみれば、それが羨ましく、不平等に感じたのかもしれません。

改めて、もっともっと子どもたちの言葉に耳を傾け、それぞれの想いを受け止めてあげなくてはいけないなと、皆が感じたスタッフミーティングでした。

今日が今年最後のブログ更新です。12/29~1/3は育成会のタイムケアはお休みをいただきますが、1/4から、「体験・仲間作り・余暇の充実」を目指して、張り切って活動していきますsign03 それではよいお年をお迎え下さい。

おっと、このあとの活動の様子も読んで下さいね~happy01

“あの子ばっかり…” の続きを読む

ぐんぐん成長 (^_^)

 育成会タイムケアでは、当然のことですが、子どもたちの安全を第一に考えてスタッフの配置をしています。

 初参加のお子さんは、不安な気持ちで参加するので、常に誰かがそばにいたほうが安心できるでしょうし、小学校低学年のお子さんは、危険の認知度が低いことや、団体行動の経験が少なく、思いがけない行動をすることがあります。また、興味のあるものに向かって突然走り出したり、自分の思いがうまく伝わらずに他傷や自傷があったり、団体行動が苦手で、自分の行きたいところへ行ってしまう、活動内容によっては支援が必要など、さまざまな理由や参加時の様子から判断して、マンツーマンが必要なお子さんには、担当のスタッフを配置するようにしています。 

 さて、Aさんは小学校低学年だったこともあり、活動時にはマンツーマンで対応していました。団体活動の経験もあまりなく、体力もそれほどなかったAさんは、疲れたり飽きたりすると、だだをこねて座り込んだりしていました。始めの頃は動かなくなったAさんを、スタッフが抱っこしたりおんぶしたりすることもよくありましたが、スタッフミーティングで、対応を統一する事にして、抱っこやおんぶはしないようにしました。座り込んだAさんとスタッフの根比べになることもしょっちゅうでしたが、本人の体力がついてきたこともあったのか、徐々に座り込む事も少なくなり、活動もスムーズになってきました。そして3年たったある日の活動日誌に「もう、マンツーマンの必要はないと思います。」とスタッフの言葉が書かれていました。happy01 年齢が上がって、経験値も上がり、体力も付いて、子どもたちはぐんぐん成長していきます。

 月1回のスタッフミーティングでも、「○○さんが、○○できるようになった。」とか「○○さんが、○○をしなくなったんですよ!」などと、子どもたちの成長が語られる度に、スタッフのみんなは笑顔になり、これからもガンバルゾ~と思います。

“ぐんぐん成長 (^_^)” の続きを読む

「行きたくない…」

ある日の事、バス停まで来て「行きたくない。」とAさんが」言い出しました。

スタッフがいろいろと声掛けしてみるものの、「行きたくない。」「家に帰りたい。」という返事が返ってきます。乗る予定だったバスを見送り、なおもAさんを説得してみるのですが、気持ちを変えることができません。

結局、Aさんとスタッフ1名を残して他のみんなは出発しました。スタッフは先ずAさんに自己紹介をしました。Aさんが行きたくないのは不安があるからではないかなと感じたからです。自分の事を知ってもらい、今日の活動はどこに行ってどんな事をして…と詳しく説明すると、やっと納得して表情が和らぐのが分かりました。その後Aさんはスタッフとバスで移動し、みんなに合流した後は笑顔で過ごす事ができました。happy01

Aさんの不安に思う気持ちに気付き、受け止め、対処してくれたスタッフの活動日誌にはこう書かれていました。

「Aさんは、最初は誰かも分からない、行く場所も分からないということで不安が大きかったと思います。活動前に、スタッフや他の参加者の名前を教えたり、行き先の説明などすると、安心して活動出来ると思います。」

いったん部屋に集合する活動や、施設のバスで移動する活動では、スタッフや利用者を紹介することはあるのですが、集合してすぐ移動になる場合は紹介をしないことが多いので、ほんとうに配慮が足りなかったと反省しました。慣れでパターン化された流れになってしまい、利用者の気持ちを思いやる事ができていませんでした。

今回は「エアロビクス」「居留地まつり」「元宮バーベキュー」のご紹介です。

“「行きたくない…」” の続きを読む

おかあさ~ん その2

前回、初参加の反応として低学年のお子さんは、お母さんと離れる際に涙をこぼすこともあるという話をしましたが、今回は中高生のお話です。

中高生になると、涙を見せるお子さんはあまりいらっしゃいませんが、その代わりもっと多様な反応を見せる事があります。

高校生のAさんは、初めての参加の時には、お母さんとハートセンターにやって来ました。「おはようございま~す。」というスタッフの声に恥ずかしそうに、うつむいたままで、お母さんから参加費を渡すように言われても、なかなか動けずにもじもじしていました。お母さんの声掛けに、やっと動くといった感じで、その後も、スタッフが話しかけても、かすかにうなずくか、蚊の鳴くような声で返事をするのがやっとというような、とってもシャイなお子さんという印象でした。

しかし、お母さんと別れて活動に入ると、恥ずかしそうにしながらも、スタッフの問いかけに返事をしたりするようになり、徐々に自分からもスタッフに話しかけたりするようになりました。その後はすっかり打ち解けた様子で、スタッフも安心したのですが、活動が終了してお母さんが迎えに見えた途端、また朝のAさんに戻ってしまったのですdespair

その様子に驚きつつも、子どもっていくつになってもお母さんに甘えたい、守られたいというのは本能なんだな~と思いました。もしかしたら無意識のうちに、恥ずかしがり屋でお母さんがいないと何も出来ないという自分を作ってしまっているのかもしれません。そうすることで、いつまでもお母さんが自分の側で守ってくれると感じているのかもしれませんね。

Aさんも、お母さんと離れる経験をたくさんして、お母さんから独立し、そしていつかはお母さんを守ってあげられるようになるといいなと思いました。

今回は「エコバッグ作り」「NCC訪問&あじさい作業所体験」「水フェスタ」「作品作り」のご紹介です。

“おかあさ~ん その2” の続きを読む

おかあさ~ん (T_T)

初めての場所や、初めての人に会う時には、程度の差はありますが緊張しますよね。

タイムケアに初参加の場合も同じです。お子さん以上にお母様が心配顔で離れがたい様子の時もあります。

低学年のお子さんは、泣き出してしまうこともよくあります。「おかあさ~んcrying」と泣いているわが子を置いて帰るのは後ろ髪を引かれる思いですよね。「こんなに泣いて嫌がっているのに、無理に行かせるなんて、悪かったかな…。」と自分を責めるお母様もいらっしゃるかもしれません。

ところが、子どもたちは切り替えが意外と早いんですよ。お母さんの姿が見えなくなると、泣き止んで、活動やスタッフとの関わりを楽しむ余裕さえあります。でも中には、活動が終わってお迎えのお母さんが見えた途端に、「おかあさ~んweep」と涙ぐむ子もいます。大好きなお母さんと会えた安堵でいっぱいなのでしょうね、そしてちょっぴり”頑張ったアピール”もあるのでしょう。

年齢に関係なく、初めての経験は不安でいっぱいですが、繰り返すことで見通しが立つようになります。朝はお母さんと離れて寂しいけど、みんなと楽しく活動出来るし、終わったらお母さんが迎えに来て家に帰って、いつも通り。長い目で見ると、家族以外の人と過ごす経験ってとても大事ですよ。

タイムケアでたくさんの体験をして、家庭や学校以外の世界をもっと広げてもらえるといいなと思います。

では「クレープ作り」「お買い物」「山里小プール」の様子をお知らせします。

“おかあさ~ん (T_T)” の続きを読む

一人で行けたよ!

前回、「ハートセンターまで一人で行けるようになるといいですね。」というお話をしましたが、今回は一人で行けたお話を…。

Aさんは、それほどおしゃべりではありませんが、聞かれたことには笑顔で返事をする明るい女の子。いつもはお母さんとタイムケアには来ていました。

ところが、ある日、お母さんから「今日は一人で行かせたのですが、もう到着しましたか?」と電話がありました。家を出た時間からすると、とっくに着いてもいい時間だったのですが、集合時間を過ぎても姿を現さず、近くを探しても姿は見えません。みんな心配して不安になりましたが、お母さんもすぐに向かいますとの事だったので、スタッフを1名残して、予定より20分ほど遅れて活動に出発する事にしました。

結局、みんなが出発してほどなく、Aさんはハートセンターに自力で到着。Aさんの話から推測すると、茂里町で降りられずに終点まで行ってしまったようで、折り返してまたまた茂里町で降り損ない、別の電停で降りたAさんは、歩いてハートセンターまでやって来たのでした!!きっとAさんにとっては大冒険だったことでしょう。でも、この大冒険は、Aさんにはとても大切な経験になったはずです。

全日本手をつなぐ育成会作成の”家族支援プロジェクト”の中にも「トライアンドエラー(試行錯誤)を繰り返しながら、成長する」と書かれています。失敗したけど、自力でたどり着いたという経験は、Aさんの自信につながったでしょうし、お母さんの子離れにも弾みをつけたのではないでしょうか。

この日は、到着を待っていたスタッフと一緒に、一足送れて活動に参加したAさんでしたが、合流した時の表情は晴れ晴れとした笑顔でした。その後も、みんなと楽しく活動出来ました。

今日は「KTN訪問」「元宮フエルト小物作り」「歴史文化博物館&玉屋レストラン」「ポニーランド&現川河川公園」の報告です。

“一人で行けたよ!” の続きを読む

一人で行けたら…

 先日、ずっと前にタイムケアに何回か来た事があるAさんとお母さんに、スーパーでお会いました。

Aさんは私の顔を見ると、私を覚えててくれたようで、「タイムケアに行きたい。」と言ってくれました。「最近、来てないもんね。おいでよ~。」と言うと、「おかさ~ん!」と、お母さんを呼んで、「タイムケア!」と訴えます。

何回か利用して、ぷっつり来なくなるお子さんがいると、「何か気に入らない事があったのかな?」とか「スタッフの対応が悪かったのかな?」と、不安になります。

この日も、ドキドキしましたが、お母様の仕事の都合でハートセンターまで送っていけないというのが参加できない理由でした。「早く、ハートセンターまで一人で来れるようになるといいね。」と話して別れました。

このように、お仕事の都合などで、集合場所へ送っていけないとおっしゃる方は結構いらっしゃいます。日常生活の中でお子さんがバスや電車に乗る機会が無く、「一人で行かせられないから…」と、参加を諦めてしまわれる事もあるようです。一人で公共交通機関を使わせるというのは、親として非常に勇気がいることですが、 すこしずつすす一人で行けるようになると、親の都合で子どもの行動を制約しなくていいし、お子さんにとっても自信につながるのではないでしょうか。何かのきっかけがあったら、少しずつ無理しないで練習してみませんか、また、タイムケア利用がそのきっかけのひとつとなってくれればとも思います。私たちも、できる限りのお手伝いをさせていただきますので、ご遠慮なくご相談ください。

夏休みになると、笑顔で参加してくれたAさん。happy01 よかった~。

今日は「白玉クリームぜんざい作り」「あぐりの丘」「科学館(ダイナソーワールド)」の報告です。notes

“一人で行けたら…” の続きを読む