愚かなことをする権利?!

 先日、会議の資料として「知的障害を持つ人の権利擁護」という読み物が配布されました。その中に「間違える権利」「愚かなことをする権利」という表現があり、とても引きつけられました。

 最近よく耳にする「自己決定」という言葉。自分らしい人生を送るためには、自分のことを自分で決めるのは大切です。しかし、本人が決めた事が適切でないこともあります。その読み物には、「そうであったとしても、危険や他者に損害を与える場合を除き、間違える権利や愚かなことをする権利も当然認められるべき」と書かれていました。「なぜなら、人は試行錯誤をして成長する存在だから…。」

 親や支援者は、自己決定が難しい障がいのある人の代弁者となって、よかれと思って自己決定に手を貸そうとします。そこには「失敗しないように…」とか「恥をかかないように…」という思いが介在していますが、本人はその失敗や恥ずかしさなんて、さほど恐れていないのかもしれませんね。むしろ、周囲の「失敗したらいけない」という価値観が優先された決定になってはいないでしょうか。

 育成会タイムケアでは、活動の中でお弁当やジュースを選ぶという簡単な自己決定から、調理ではどの仕事を担当したいか、自由時間に何をして遊びたいかなど、何かを決める機会をたくさん用意しています。もちろん、全ての場面で全てのお子さんが意思表示をするわけではありませんので、そのあたりの能力開発支援についてはまだまだ勉強が必要です。

 これからも、たくさんの経験を通して自己決定ができる力をつけられるように、お手伝いをしていきたいと思います。

 今回は9月末から10月中旬の活動の様子をご報告します。

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