「イヤ」って言ってみる?!

  先日、障がいのある人を対象とした「知る見るプログラム(ファシリテーター養成講座)」の研修に山口県まで行かせていただく機会がありました。長崎市育成会より4名の本人さんが参加され、他県の本人さんたちと交流しながら、様々なワークショップを楽しんで体験されていました。 雄弁に語る人、ちょっと恥ずかしそうな人、考えながら話す人、様々でしたが、みなさん自分のスタイルで発言され、感心しました。

 障がいのある人に対し「行く?行かない?」とか「どれにする?」ということは聞いても、「あなたはどう思う?」とか、「なぜそう思うの?」など、本人の想いや考えを問うことは意外と少ないかもしれません。想いを語るという体験が大切だなと思いました。

 強く印象に残ったのは、「子供の頃は食べるものや着るものを親に決められていて、それは仕方ないと思っていた。でも、大人になったので、今は自分で決められるし、イヤだと言えます!」という本人さんの発言でした。親や支援者は、本人が嫌だと言わないのをいいことに、安全や安心のために良かれと思って、手出しや口出しをしてしまいます。しかし、それは障がいのある人たちの望むことでしょうか?「嫌だと言わない」のではなく「嫌だと言えない」だけなのかもしれません。

 タイムケアでも人との関わり方の中で、明らかに嫌がっている場面であってもそれを口に出せない子がいます。「イヤ」って言っていいんだよと伝えても、なかなか難しいようです。ワークの中には「イヤって言ってみよう」というプログラムも用意されています。つい、こうするんだよと口だけで伝えようとしてしまいがちですが、実際に場面を想定してワークショップをしたりロールプレイングをすることで、発信力を磨くという方法もあるんだと、ほんとうに勉強になりました。今後、支援にも活かしていきたいと思います!

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