前回の定例会では「親あるうちの暮らし方、親なき後の暮らし方」というテーマで話し合いをしました。今年の育成会定期総会での全国手をつなぐ育成会連合会の常務理事又村あおい氏の講演内容を復習し、「入所施設の高齢化」「障害のある高齢者をどう支える?」「成年後見制度の今後のうごき」についての動画を視聴しました。娘さんの後見人をされているお母様も参加されていて、どういった経緯で後見人をされるようになったか、具体的な業務についてなどお話を伺うことが出来ました。ただこの日は動画の視聴に時間を割いたため、情報交換に十分に時間を取ることが出来なかったため、今回の定例会では同じテーマで皆さんの疑問や不安に思うことなど話し合ってみました。
ある参加者の方から、前もってメールで「お金のことを聞きたい」と質問いただいていました。又村氏の講演資料を基にグループホームを利用すると仮定して、それぞれご自分の子どもの収支を記入しました。もちろん子どもの将来にお金は必要ではありますが、今現在の生活をギリギリに切り詰めて生活の質を落とす必要もないように思います。また、将来のためにとショートステイを利用された方も数名いらっしゃいましたが、自宅からの距離が遠すぎたり、一度利用したがその後は行かないとかたくなに拒否するのでその後の体験が進んでいないと話される方もいらっしゃいました。”きょうだい”についての話題も出ました。独立したきょうだいに負担をかけたくないと思われている方、自分が将来障害のある姉の面倒をみると言っているきょうだいに任せていいのか、など色々な意見が出ました。いずれにせよ親なきあとは兄弟姉妹や親族のサポートは必要です。それに加えて信頼できる福祉事業所や相談支援事業所との繋がりは必要不可欠だという意見に共感される方が多くいらっしゃいました。そのほか入所施設やグループホームについての疑問やそれぞれの特徴などについていろいろ質問が上がり、「知らなかった~。」「勉強になった!」などのお声もいただきました。
12月の定例会は12月21日(木)育成会大橋事務所会議室にて、『年忘れ!おしゃべり会』と題し、堅苦しいテーマは設けず気になっていること、困っていること、嬉しかったことなどをお茶を飲みながら気軽におしゃべりしましょう。定例会に参加されたことがない方も大歓迎です。定例会は会員対象の活動です。会員でない方はこの機会にご入会されませんか?




障害のある子どもを持つ親にとって、親なき後わが子が”いつ””どこで””誰と””どのように”暮らすのかは大きな問題です。また、暮らし方と共に障害のある人の親なき後を考えるときキーポイントとなる成年後見制度も親にとって避けては通れない課題です。知的障害のある人にとって利用しにくいといわれている成年後見制度ですが、全国手をつなぐ育成会連合会などの働きかけで今後、少しずつ利用しやすくなりそうだとの解説にわずかな希望を感じました。また全国的に障害のある人の高齢化問題が話題に上がりますが、入所施設においても障害のある高齢の利用者と、若い元気な障害のある利用者が同じ施設で生活する”8020”問題があり、事実利用者同士がぶつかり合ってけがをするという事例もあるそうです。ある県の障害者入所施設では新たに高齢者用の施設(別館)を建設したという報告もありました。いずれにせよ関係者だけではなく広く国民的な議論を展開していくべきことではないかとの説明に、将来的にいい方向性が見いだせればと思いました。







「本人の意思は確かめていたつもりだったけど、誘導してたのかも…」「発語がなく本人が決められないのでほぼ親が決めてきた」「場面によって尋ねたり、尋ねなかったり、親の都合で決めているかも…」「本人の好みを反映してるとはいえ親が決めている」など多くの気づきがありました。中には「なぜ(自分は)本人の意思を確認して来なかったのだろう…」とうなだれる方も。「洋服は本人に選ばせると変な組み合わせになるからさせられない」「2択で本人が選んだほうを買ったのに、本人の気持ちは逆だった」「本意ではないことを言葉遊びのように言うので、言うことをうのみにしてはいけない」など、失敗談もありました。また、「重度で身体介助が必要なので、本人の好みではなく支援者が支援しやすいような服を優先して選ぶようにしている」というお話しもありました。
講演の中で知的障害のある人が認知症を発症しても認知面だけに注目していると見落としてしまいがちなので、普段からの観察でもともとできることはどんなことかを知っておくことが大事だとお話されてました。ある障害者生活介護事業所の職員がチームとなって行動を分析して、対応している事例の動画を見て、この事業所にわが子をお願いしたいと仰る参加者もいらっしゃいました。知的障害のある人の認知症ケアプログラムはまだ始まったばかりで、全ての知的障害福祉施設で行えるものではないかもしれませんが、参加された方々は利用している事業所でもこの先駆的な取り組みを学び、活用してほしいと仰ってました。