育成会バスハイクが実施されました!

11月12日(日)育成会バスハイクが実施されました。今回は福岡県柳川市方面へ大型観光バス2台を仕立て出かけました。当日は風が強く肌寒い一日となりましたが、時折日差しもあり柳川の街を楽しむことが出来ました。柳川街並み散策では各自自由行動で、お濠周辺の散策やお買い物など思い思いに楽しまれたようでした。7千坪という広大な日本庭園と明治時代に建てられた洋館が魅力の『柳川藩主立花邸御花』や柳川出身の北原白秋が生まれ育った生家と記念館がある『北原白秋生家・記念館』などを見学された方もいらっしゃいました。

昼食は柳川温泉輝泉荘へ場所を移し牛鍋の和定食をいただきました。肌寒かったのでお鍋で身も心も温まることができ、皆さんホッとされたようでした。昼食後はいよいよお待ちかねの川下りを楽しみました。静かに水面を進むどんこ船に乗り込み、船頭さんの楽しいお話と北原白秋作の歌で雰囲気満点な川遊びを満喫することが出来ました。参加された皆さんも年に一度のバスハイクを楽しまれ、満足気な表情で家路につかれました。毎年企画している育成会バスハイクは会員の皆さんの親睦と障害のある本人さんの旅行を楽しむ機会を提供する活動です。来年のバスハイクも皆さんが楽しめるよう企画したいと思います。ぜひ次回のバスハイクは参加されてみませんか?

どんこ船に揺られ、船頭さんの楽しいお話や歌を聞きながら柳川の街並みを楽しみました
柳川名物「さげもん」が飾られている御花邸
7千坪を有する名勝「立花氏庭園」

 

 

 

 

親あるうちの暮らし方、親なきあとの暮らし方

先日開催された九州地区手をつなぐ育成会福岡市大会において「親なき後の本人の暮らしの現状と課題について」というテーマで本大会が行われました。各方面(保護者、障害福祉事業所、介護福祉事業所)からそれぞれの立場からの報告及び発表がありました。これまで実施した会員定例会でも知的障害のある人の親なき後問題はたびたび取り上げてきましたが、今回の定例会では長崎市育成会で職員研修の一環として取り入れているeラーニングの「成年後見制度の算定改定について」と「入所施設の高齢化に伴う課題について」のコンテンツを視聴し参加者の皆さんと研修しました。

障害のある子どもを持つ親にとって、親なき後わが子が”いつ””どこで””誰と””どのように”暮らすのかは大きな問題です。また、暮らし方と共に障害のある人の親なき後を考えるときキーポイントとなる成年後見制度も親にとって避けては通れない課題です。知的障害のある人にとって利用しにくいといわれている成年後見制度ですが、全国手をつなぐ育成会連合会などの働きかけで今後、少しずつ利用しやすくなりそうだとの解説にわずかな希望を感じました。また全国的に障害のある人の高齢化問題が話題に上がりますが、入所施設においても障害のある高齢の利用者と、若い元気な障害のある利用者が同じ施設で生活する”8020”問題があり、事実利用者同士がぶつかり合ってけがをするという事例もあるそうです。ある県の障害者入所施設では新たに高齢者用の施設(別館)を建設したという報告もありました。いずれにせよ関係者だけではなく広く国民的な議論を展開していくべきことではないかとの説明に、将来的にいい方向性が見いだせればと思いました。

次回の定例会は11月22日(水)10:00から大橋の育成会事務局会議室で「親あるうちの暮らし方、親なき後の暮らし方 Part2」として今回の話題をより深く皆さんとお話しできたらと思います。親なき後にいくらかかるのか?高齢期を本人らしく生きるには?自分(親)の老い支度とは?など色々な切り口でざっくばらんに話し合ってみましょう。

親なきあとを見据えた障害者の健康支援

8月の定例会は「親なきあとを見据えた障害者の健康支援」と題して長崎市手をつなぐ育成会で職員研修の一環として取り入れているeラーニングの動画を2本視聴しました。国立のぞみの園研究員の方と「親なきあと相談室」を主宰され、知的障害のあるふたごのお子さんのお父さんの対談で、「親目線で感じる障がいのあるお子さんの健康面の不安」と「親なきあとの健康維持のために必要な支援とは?」というタイトルの動画を観ました。

将来グループホームや入所施設を利用するようになった場合、今まで親がしていたような健康管理を支援者に望むことはできるのか?逆に業務の効率化のため本人ができる事まで支援しすぎてしまい自立の妨げにつながる「やりすぎてしまう介助」になる懸念はないか?など親の立場と支援者側からのお話で大変興味深い内容でした。「体の不調を訴えることが難しい重度の知的障害のある人は支援する人も分かりずらさがわかりやすいが、言葉を話すことが出来る軽度の人は言葉のみをうのみにして重症になってしまう場合がある」というお話に言葉だけのコミュニケーションに頼ってしまうことへの危うさを感じました。また健康を守るためにと意思決定支援をないがしろにしていないか?という問いに、ドキッとさせられました。親としてまずは体のため、健康のためという理由で本人に説明することなく服薬や治療に臨んでなかったか、また歯磨きの仕上げ磨きの際は虫歯になっては治療が大変と必要以上に子ども扱いした対応を取ってないかなど色々考えさせられました。詳しい説明をしても分からないからしない、健康に関しての理解が出来ないから親(支援者)側が対処してあげなければならない、となりがちですが出来るだけ経験値を増やし、選択肢を増やす支援を行い本人が本人らしく生きる支援が必要というお話に親も支援者もこういった共通の認識を持つことが大事だと思いました。

以前から定例会で「親心の記録」を記入してきましたが、自分が介助できなくなる日のためにこのような支援ノート、サポートブックは健康管理の面からみても重要だと改めて感じました。障害のあるわが子のターミナルケアについても本人と話し合える場合は話し合い、話し合いが無理な場合は親の思いだけでも記入しておくことが大事だと思いました。私の場合子どもの年齢がまだ若く、あまり早急に成人病の危機に直面しているわけではありませんが、日々の積み重ねが先々の本人の健康につながっていくことも考えながら、でも日々の生活の楽しみを奪うことなくいいバランスで暮らしていけたらと感じた定例会となりました。

 

 

「支援マップを作ろう!」

前回の定例会は「お父さんはどうかかわってる?」というテーマでお父さんと障害のある子どもとのかかわりについて話し合いをしました。参加された方からは障害のあるわが子のことについて夫婦であっても情報を共有出来てないというご意見が多く聞かれました。それを受けて今回の定例会では夫婦や家族で情報の共有が行われてなくても一目見て障害のある本人の情報が分かるように、支援マップを作る活動をしました。

使っている福祉サービスの事業所やかかりつけの病院、よく行く場所などを支援マップに書き込みました

本人を中心に「家族・親戚」「障害福祉サービス」「医療関係」「よく行く場所」「仲間」「余暇活動」などを記入していきました。後で連絡先や電話番号を記入するとより使いやすいものになりそうです。記入してみると「仲間の箇所が埋まらない」「余暇活動が偏っている」「よく行く場所は決まった場所だけしかない」など参加者の皆さんも図式化してみることでより自分の子どもの生活パターンが分かったとの声も聞こえました。障害福祉サービスも年齢や障害特性によって様々な事業を利用をされてたり、医療機関も人によってほとんど利用されてなかったり、”見える化”することで一目瞭然で分かりやすくなるのを実感しました。また、保険の情報も記入するようにしておくと緊急事態に有効性が高いものになるのでは?育成会の連絡先も記入する箇所も必要!という意見も出ました。今回は「支援マップ」としてどのような情報が必要かを考えるきっかけにもなりました。形態はどうであれ自分の子ども専用の支援マップを作り、家族とも共有するとより実効性の高いものになりそうですし、併せて「親心のきろく」を活用することでより具体的かつ詳細にわが子の記録を第三者に伝えることが出来るのではないかと思いました。

次回の定例会は8月24日(木)10:00から育成会大橋事務所会議室にて「親目線で感じる障がいのあるお子さんの健康面の不安」「親なきあとの健康維持のために必要な支援とは?」という動画を見ましょう。自分自身での健康管理が難しい障害のある人への健康維持のための支援は親として気になるテーマです。知的障害のあるお子さんの親御さんと国立のぞみの園の研究員の方との対談方式の動画です。お気軽にご参加ください!

 

 

令和5年度育成会定期総会が実施されました

ここ数年のコロナ禍により以前のような対面型の総会は実施できていませんでしたが、今年度の総会はコロナの感染状況も5類に引き下げられたため以前のような形態に戻し、7月1日(土)長崎原爆資料館ホールにおいて総会と講演会を開催しました。

挨拶をされる理事長。
第4次5日県計画の振り返りや今後の展望について話をされました。

第5次地域福祉5か年計画について話をされた寺田事務局長。

総会では谷理事長が第4次地域福祉5か年計画の総括を中心に話されました。今年度から動き出した基幹相談支援事業や啓発事業の知的・発達障害理解啓発活動などについて説明されました。その後寺田事務局長が今年度から始動する第5次地域福祉5か年計画について説明されました。

分かりやすい言葉でユーモアも交えながら聴衆を引き込んでいかれる又村氏。長崎新聞の取材も受け記事にしていただきました。

講演会には130名が集まり、そのうちの3分の1は会員ではない方々で、育成会を知っていただく機会にもなったのではないでしょうか。

後半は全国手をつなぐ育成会連合会専務理事兼事務局長の又村あおい氏を講師に迎え”「親なきあと」は「親あるうち」に”の講演会を実施しました。知的・発達障害のある人の「8050」問題(知的・発達障害のある子どもが50代になった時には親は80代になり子どもに対して今までのようなケアが出来なくなる)や、お金と住まいに関することを最新の障害福祉サービスの動向と圧倒的な情報量を基に明快に解説されました。知的・発達障害のある子を持つ親にとって大変不安を感じながらも漠然とした問題を一つひとつ歯切れよく、時には笑いも交え説明され、1時間30分の時間もあっという間に感じるほど引き込まれる講演会となりました。参加された方から寄せられたアンケートにも「大変わかりやすくなかなか人には聞けないお金に関することを聞けて参考になった」「今まで聞いたことがない内容で非常にためになった」「具体的な方法や考え方を説明いただき勉強になった」など大変好評をいただいたようでした。

今後も会員や支援者の皆さんが一同に会し社会福祉法人としての育成会の動向を知り、研修会で情報を得ることができる総会が実施できればと思います。

 

「お父さんはどうかかわってる?」

SDG‘sの一つの理念として多様性が叫ばれている昨今、子育ては母親が受け持つという概念も薄くなってきつつあるのかもしれませんが、やはり主に子育てを担ってきたのは母親だと思います。殊に障害のある子どもの子育てとなるとなおさら母親の役割は大きいものがあると言えるのではないでしょうか。療育や通院そして学校や福祉関係とのやりとりなど障害のない子どもの子育てに比べ母親が子どもの関係する機関と関わる場面は多くなりがちです。また、障害福祉サービスの契約や更新、障害年金の手続きなども母親が対応されているご家庭が多いように思います。加えて共働きが増えたとはいえ、父親に比べて母親が障害に関する勉強会や研修会に参加する機会が多いため障害に関する知識も多くなります。

ではお父さんは知的障害のある子どもとどのようにかかわっているのでしょう?参加者の皆さんのお話しをお聞きすると、それぞれのご家庭でお父さんの”役割”が幅広くまた多岐にわたっていることを知ることが出来、皆さんのエピソードを大変興味深く拝聴しました。朝から一日のスケジュールを把握しないとパニックになってしまう子どもさんのために、お父さん自ら絵カードを使ってスケジュールを示してくれるので朝から子どもさんが安定して登校することが出来ているというお話に皆さん感心しきりでした。また、障害福祉関係の手続きは全て自分でしているというお父様のお話に羨ましいという声も上がりました。障害特性は理解はしているものの、声かけだけに頼りがちだったり、厳しく叱ったりと父親のかかわり方に不満を感じているというお話もお聞きしました。身体障害を併せ持つ女性のお母さんはお嬢さんが生まれてから父親には異性という理由で一切介助をさせてこなかったそうです。自分が何らかの理由で介助出来ない状態になった場合、どうなるのだろうと不安を感じられているようでした。参加されたお父様からは「定例会等での父親の参加が無いので父親同士の横のつながりが持ちにくい。今後父親同士の交流が出来、意見や思いを言い合えるような企画を立てていただければ」とのご意見をいただきました。

それぞれのご家庭でそれぞれの親子関係、夫婦関係があり大変興味深いお話の数々をお聞きすることが出来ました。参加された皆さんも感心されたり、羨ましがられたり、あるいはご主人への愚痴に深く共感されたり、、、大変盛り上がった定例会になりました。

次回の定例会は「わが子の支援マップを作ろう!」と題して、現在利用している障害福祉サービスを記入してみましょう。「見える化」することで現在利用している障害福祉サービスと今後必要になるかもしれない支援について話し合ってみましょう。                                        日時:7月20日(木)10:00~12:00                   場所:育成会大橋事務所会議室         (小)

 

「親以外の人とのつながり、どう作ってますか?」

人は生まれてから成長するに伴い、家族以外の人との関り・つながりが生まれてきます。乳児の頃は家族、親戚、ご近所などある程度限られた世界。幼稚園、小・中・高と学齢が上がるにつれ交友関係も変化し広がっていきます。社会人になれば仕事を通じた付き合い、趣味の付き合い、恋愛し結婚してまた新しい家族としてのつながりを築く人もいるでしょう。そもそも人に対してコミュニケーションをとるのが苦手な知的障害・発達障害の人に友達を作ってみんな仲良くしましょう!と知的障害のない側の論理を押し付けるのはあまり意味がないようにも感じます。では自分から関りを持つのが難しい知的障害のある人は、家族以外の人とどのようにつながりを作っているのでしょう?

参加された方にお話を聞くと、「小さいころからどこに行くにも一緒に連れて行き、知的障害のある子ということをご近所の方に知ってもらうように心がけていた。」と、多くの方が近所の方との関りを大切に考えていらっしゃるようでした。ある方はご近所の人に、子どもに知的障害があることを伝えていたので、子どもがトラブルに巻き込まれそうになった時にその場に居合わせたご近所の人に助けられたそうです。また「学校の交流の場で、集団がストレスになるわが子に対し『ともだちできた?』という先生の声掛けが負担だった」という声もありました。さらに知的障害のある人をきょうだいに持つ”同胞・きょうだい児”にも話題が及び、友達を家に連れてきた”きょうだい”がフランクに知的障害について説明する姿を見て親として嬉しかった話や、障害のある子がきょうだいの結婚に影響するのではないかと心配した話もありました。ある会員さんは障害の程度が軽いので普通学校に進学させたが、友人関係でいじめを受けたり金銭面でのトラブルがあり、今となっては辛い思いをさせたのかなと申し訳ない気持ちになったと話された方もいらっしゃいました。親も子も年齢を重ね、だんだん親子関係から友人関係に近くなってきたという話、たまたま散歩の時に顔見知りになったおじいさんと仲良くなり、数年間一緒に近所を散歩するようになったという話など、人とのかかわりについてたくさんのお話を伺うことができました。

いずれにせよ、自分から人への関りを持ちにくい知的障害のある人にとって、「人との関り」とは周囲の人に関わってもらうという意味も大きいと思います。可能な範囲で意識的に地域や社会の人にわが子に知的障害のあることを知ってもらうことはトラブルを未然に防ぐことにつながることもあるかもしれません。さらに親なきあとを考えるとき、知的障害のあるわが子のことを知り、関りを持ってくれる人の存在や関りは心強いものになるのかもしれません。

次回6月の定例会は「父の日」にちなんで『お父さんはどうかかわってる?』と題し話し合います。お子さんと接する時間が多い分、障害に対する知識も情報量もお母さんが上と、なりがちです。また母親同士のつながりに比べ、父親同士のつながりは希薄かもしれません。父親の育児や家事の参加が叫ばれる昨今、みなさんのお宅ではお父さんはどのように参加されているでしょうか?みんなで話し合いましょう。お父様の参加も大歓迎です。                                                        と き:6月22日(木)10:00~12:00              ところ:育成会生活支援センター(大橋町)

 

「どうやって決めてる?」

4月の定例会は「どうやって決めてる?」と題し、わが子に関する何かを決めるときどんな方法で決めているのか、言葉での表出が難しい場合、どのように本人の意見を反映させているのか、それぞれのご家庭の意思決定支援について話し合いました。

最初に家族支援のテキストにあった点検ワークの「親子関係チェックリスト」を記入してもらい、各ご家庭での関わり方を点検していただきました。これは外食、買い物、トイレやお風呂、工賃など、様々な場面で誰がどのようにして決めているのかをチェックしていくものです。記入後気づきを発表してもらいました。「思った以上に本人の意思を確認していない」「本人の意思は確かめていたつもりだったけど、誘導してたのかも…」「発語がなく本人が決められないのでほぼ親が決めてきた」「場面によって尋ねたり、尋ねなかったり、親の都合で決めているかも…」「本人の好みを反映してるとはいえ親が決めている」など多くの気づきがありました。中には「なぜ(自分は)本人の意思を確認して来なかったのだろう…」とうなだれる方も。「洋服は本人に選ばせると変な組み合わせになるからさせられない」「2択で本人が選んだほうを買ったのに、本人の気持ちは逆だった」「本意ではないことを言葉遊びのように言うので、言うことをうのみにしてはいけない」など、失敗談もありました。また、「重度で身体介助が必要なので、本人の好みではなく支援者が支援しやすいような服を優先して選ぶようにしている」というお話しもありました。

言葉で伝えることが難しい方の場合、本人の顔色、表情や行動で意思をくみ取るようにしているとのことでしたが、やはり親が決める機会は多くなるようです。あるお母さんは「障害がなかったらたぶんこうしたいだろうと考え、髪を染めたりマニキュアをしたりしてあげている。逆にこういうことは嫌だろうと思い、異性の身体介助は父親でもやらせない」と言われていました。

わが子がもっと幼いころに意思決定の重要性を知っていたらもっと違う子育てができたかもという先輩お母さんの意見もありましたが、幼いころから選択の機会をたくさん持つことや、自分の選択が受け入れられる体験はとても大切だと思います。参加された学齢期のお子さんのお母さまたちは「勉強になりました!」と言って帰られました。今回の様子は広報あじさい164号で詳しくお知らせします。

次回は「親以外の人とのつながり、どう作っていますか?」と題し、話し合う予定です。自発的に人間関係を築きづらい知的障害のある人たちにとって、どうやって人とのつながりを作っていけばいいのでしょうか。みんなで考えてみましょう。                                     とき:5月23日(火)10:00~12:00                   ところ:育成会生活支援センター会議室(大橋)

知的障害のある人の認知症診断とは?

これまでの会員定例会では知的障害のある人の”親なきあと”についての動画を視聴したり、”親心の記録”を数回にわたりシリーズで記入したり、成年後見制度についての勉強会をしたりしました。知的障害のある子どもを持つ親としてわが子の将来についての心配事は尽きることがありません。それと同時に知的障害のある人は障害のない人に比べて老化が早いという話を聞き、わが子の高齢化についても不安を感じます。今月の定例会は知的障害や自閉スペクトラム症をはじめとする発達障害のある人のための「知的障害者用認知症ケアプログラムと活用例」というテーマで行われたセミナー動画を視聴しました。そもそも知的障害のある人が認知症を発症した場合、どのように発症に気付くのでしょうか?また、どのように支援すればいいのでしょうか?会員の皆さんの関心の高さを示すように、今回の定例会には多くの方にご参加いただきました。

講演の中で知的障害のある人が認知症を発症しても認知面だけに注目していると見落としてしまいがちなので、普段からの観察でもともとできることはどんなことかを知っておくことが大事だとお話されてました。ある障害者生活介護事業所の職員がチームとなって行動を分析して、対応している事例の動画を見て、この事業所にわが子をお願いしたいと仰る参加者もいらっしゃいました。知的障害のある人の認知症ケアプログラムはまだ始まったばかりで、全ての知的障害福祉施設で行えるものではないかもしれませんが、参加された方々は利用している事業所でもこの先駆的な取り組みを学び、活用してほしいと仰ってました。

次回の定例会は「どうやって決めてる?わが子のこと」という内容で、話し合ってみましょう。私たちは親として知的障害のあるわが子の”意思”をどれくらい、またどのように汲み取り尊重しているのか、休日の過ごし方や外食のメニュー、買い物など日々の様々な本人の選択について考えてみましょう。                 4月20日(木)10:00~ 育成会生活支援センター会議室(大橋町)みなさん、お気軽にお越しください!     (小)

「どうする育成会!」

長崎市育成会では昨年9月会員アンケートを実施し、会員の皆様から忌憚のない多くのご意見をいただきました。そのアンケートの集計結果を基に「どうする育成会!」と題して定例会を開催しました。「今、気になっていることは何ですか?」の問いには、①親なきあと74人②親の高齢化55人③本人の老化38人(複数回答可)との結果になりました。会員の高齢化それに比例して知的障害のある本人の老化および重度化などの課題が上がってくるのでは?と予想はしていましたが、それを裏付ける結果となりました。参加者の皆さんも”高齢化”の問題は切実で、自分の老化もさることながら子どもが今までなかったようなこだわりが出てきたり動きの緩慢さが目立つようになったりなど、老化を実感される方もいらっしゃいました。また、成年後見制度の必要性を感じ、ご自身で成年後見の講習を受講され、晴れて市民後見人の登録を取られた方もいらっしゃいました。

また残念なことですが、長崎市育成会の会員減少は否めない事実です。これは長崎だけの問題ではなく全国的に同じような現象が現れているようです。会員のニーズを掴むため、「育成会に今後力を入れてほしいことは何ですか?」という質問もしました。結果として親子で住める(高齢者向け・共生型)グループホームの増設が最も多く、”親なきあと”をテーマにした研修会の企画、災害時の避難場所の提示、きょうだいに向けた活動など幅広い意見が寄せられました。アンケートの自由記述にもたくさんのご意見をいただきました。もちろん全てが実現可能な事ではなく難しい問題ばかりですが、”親の会”として発足した育成会が魅力ある育成会であるためにも、少数であっても会員の声に耳を傾ける姿勢は必要だと思いました。

3月の定例会は16日(木)10:00~12:00 「知的障害者の認知症診断」についてのWebセミナーを視聴してみませんか?知的障害のある人の認知症はどうやって診断されるの?どうやって認知症に気付けばいいの?などWebセミナーを視聴しながら勉強してみましょう!