親なきあとの健康って?

普段の生活でなかなか意識することが少ない健康ですが、ケガをしたり、病気になって、改めて健康のありがたさに気付くものですよね。今回の定例会は知的障害のある人の健康についての動画を視聴した後、皆さんで知的障害のある人の健康支援について話し合ってみました。

知的障害の方の中には自分の身体に違和感や不調があっても周囲の人に訴えることが出来なかったり、そもそも障害特性のため痛みに対する低反応があり重症化してから発覚する場合もあると言われます。そのため定期的な歯科検診や事業所で行われる健康診断は重要性が高いと言えます。しかしある参加者の方は、それに加えて高齢期に差し掛かった障害のある方には高齢者向けの検査項目(骨密度など)を増やしてほしいという意見も出ました。また身体を清潔に保つという概念を持ちづらい人も多いため、家庭ではハミガキの仕上げ磨きを徹底されてる方もいらっしゃったり、利用するグループホームや入所施設でも入浴やハミガキなど特に気を付けて支援して欲しいと依頼している方もいらっしゃるようです。半面、親や支援者がご本人が出来ることまでついつい支援しすぎてしまう(やりすぎてしまう)こともあるという動画の指摘もありました。治療や服薬に関して言えばご本人の意向や納得は抜きにして、親だけの意向で判断してしまいがちです。親も知的障害があると「どうせ説明しても理解できないから親が判断し決定しなければ何事も進まない。」という考えの方も多いようです。風邪薬や胃腸薬のような対処薬を服用する場合は問題ないとしても、精神的な服薬は本人が服用を判断するというより、パニックで自傷・他害が激しく不眠状態が続いているなどの理由で親や支援者と医師が服用を勧めるケースが多いと思います。メンタルの薬を利用することで本人の精神的な安定を図ることが本人のQOL(生活の質)を上げることにつながるという判断に基づいての事だと思いますが、ご本人に服用の同意をとってのことだったのでしょうか?理解できない場合はご本人に理解できる方法で分かりやすく伝え、納得して頂いた上での服薬でしょうか?改めて考えると自分自身も子どもに機械的に薬の服用をさせていたことに気づき反省しました。動画の中で講師の方が話されていた、健康の問題も最終的には意思決定が大きなテーマであると言われた言葉が印象的でした。

次回の定例会は8月19日(火)育成会大橋事務局会議室にて、お悩み相談室としてテーマを一つに決めずおしゃべり会をしたいと思います。知的障害のある人の不適切行動への対応、気になる親なきあとの住まいと生活、ご自分の終活、健康問題など他の方はどうされているのか気になるところです。解決することは無理でも参加者の方に悩みを聞いてもらい、経験談や意見を聴くだけでも何かヒントが見つかるかもしれません。ぜひお気軽にご参加ください。