皆さんは今年10月から運用が始まる”就労選択支援事業”をご存じでしょうか?今まで特別支援学校に在籍する障害のある人が高等部を卒業して、B型就労継続支援事業の利用を希望する場合、就労移行支援事業のアセスメントを受けないとB型事業所を利用することが出来ませんでした。しかし、今後はB型就労継続支援事業(A型就労継続支援事業・就労移行支援は令和9年4月から原則利用)を希望する知的障害のある人は就労選択支援事業のアセスメントを受け、よりご本人の意向に沿った進路を選ぶ方向になるようです。就労選択支援事業は知的障害のあるご本人の意思決定を支援しつつ、強みや弱みを含めいろいろな可能性を探るようなアセスメントを作成し進路決定への助言を行う事業です。今回の定例会は2校の特別支援学校にご案内させていただき、学齢期の子どもさんをお持ちの方々と育成会相談支援事業所所長、さらにさんらいず施設長を講師にお迎えして、卒業後の進路について話し合ってみました。

最初に相談支援事業所所長が卒業後の進路先にはどんな選択肢があるのか説明し、手続きの流れや進路先の事業所を選択するときのポイントなどお話しいただきました。長年相談支援事業に携わられている所長なので、具体的な事例も提示してわかりやすくお話しいただきました。続いてさんらいずの施設長に現行の就労系障害福祉サービス事業の説明と10月から新たに創設される就労選択支援事業の理念と課題、期待されることを厚生労働省の文面を用いながら詳しく説明いただきました。就労選択支援事業はまだ事業として運用されてないため、いろいろと不明な点も多々ある中で本人と協同しながら就労能力や特性(強みや弱み)を客観的に評価するアセスメントの結果を基に進路を決めるという流れを解説いただきました。参加者の皆さんも小学一年生のお子さんをお持ちの方から、既に就労系障害福祉サービスを利用して20数年の方まで、年齢も様々でしたが幅広い質問が出されました。講師のお二方には一つ一つの質問に丁寧にお答えいただきました。子どもの意思を尊重し卒業後の進路を選ぶことはあたりまえと言えばあたりまえですが、障害特性により迎合性が高かったり、自分にとって楽な方を選んだりする方もいて、ご本人の意思の表出だけではなく、意志形成においても難しい一面があるようです。ご本人と親だけではなく、担任の先生、相談支援員、利用している事業所の支援員など本人を取り巻くネットワークの担当者とベストインタレストを探る話し合いが出来、最終的にはご本人が自分らしくいきいきと過ごすことが出来る進路先に巡り合うことが出来れば理想的ではないかと感じました。
次回の定例会は7月24日(木)10:00から育成会大橋事務所会議室にて、「親なきあとを見据えた障がい者の健康支援」という動画を視聴したいと思います。身体の不調を自分から訴えることが難しい知的障害・発達障害のある人たちですが、親なきあとどのようにすれば健康状態が守られるのか?皆さんで考えてみましょう。お気軽にご参加ください。