『障害者のきょうだい』

9月の定例会は最初にきょうだいであるお二人が語る『障害者のきょうだい』という動画を視聴し、その後参加者で話し合いました。

障害のある子どもについての話となると、障害特性から来る困りごとや本人の行動などたくさん話題はあるものの、時にはその問題行動が武勇伝の様に語られ笑い話になったり、ささやかな成長の喜びが語られたりと互いの子育てを労うトーンになるのですが、「きょうだい」の話となるとみなさん真剣そのもの、時には重苦しい雰囲気が漂うこともありました。「きょうだいというより一保護者とういう感じ。時には親目線で障害のある子とのことを考えてくれる。」という年の離れた年上のきょうだいをお持ちの方々のお話や「障害のある小1の兄が大好きな年少の弟だけど、まだ兄に手がかかる分弟に寂しい思いをさせていないか心配。」という若いお母さまの話にはみなさん「私たちも同じような心配してきたよ~。」と頷かれていました。「仲が悪いわけではないけれど、きょうだいが家を出て、いない生活に慣れたのかきょうだいが帰省するとそのとたんいつまでいるのかと帰る日を気にし始める。」という意見には「うちも同じ!」と共感する方多数でした。「一緒に住んでいるが異性同士だからかあまり関りがない。」と、他の方の話を聞いて「羨ましい。」と言われるお母さまも。また「小さいときから障害のある弟をとても大事に思ってくれる子だったが、学生の頃学校に通えなくなったことがありとても心配した。ドクターに『小さい頃の穴が埋まっていない』と言われた。」というお話には、「きょうだいには親が気付かない気持ちの揺れがあるんだろうね。」、「親に言えないことをいっぱい持ってるんだろうね。」、「親を悲しませると思って言わないことがあるんだよね。」と、みなさんわが子のことに思いを馳せているご様子でしんみりとなりました。きょうだいが若くして亡くなったお知り合いをお持ちのお母さんからは「人生何が起こるか分からないからきょうだいが親より長く生きるという保証はない。」という意見もありました。
ダウン症のお子さんをお持ちの親の会であるバンビの会や自閉症協会でのきょうだい向けの活動では、きょうだい同士が集まるとみんなのびのびしていることから「同じ境遇の仲間の存在がとても大きな力や励みになる」というお話にはみなさん頷いていらっしゃいました。全国的にはきょうだいの会はあちこちにあるものの身近にはないので、きょうだいの会があればいいのにという声もありました。「親は半生、きょうだいは一生」という言葉を挙げて、「何かしてもらおうとは思っていないけれど、結局親なきあともきょうだいは契約や入院の際には必要とされ、支援者からはキーパーソンとして見られるんだよね。」という意見に、きょうだいに対して申し訳ないような気持にもなりました。こうあればよいというような結論は出ませんでしたが、きょうだいにはきょうだいの生活があるので多くは期待できないけれど、親なきあともよき理解者としていてほしいという思いで今回の定例会を終わりました。

10月の定例会は「その声かけ、OK or NG?」と題し話し合います。余裕のないときはついつい感情に流された声かけをしてしまった経験はどなたにもあると思います。声のかけ方次第でやる気が出たりなくなったりしますよね。どんな声掛けが有効か話し合ってみましょう。
10月16日(木)10:00~12:00、育成会生活支援センター(大橋町)会議室で行います。