生活の場はどこに?

5月の定例会は青森県手をつなぐ育成会作成の「つなぐ・つながる 知的・発達障がいの子育てハンドブック」を参考にしながら「生活の場をどこにする?」というテーマで話し合いました。

ハンドブックには、生活の場として「グループホーム」、「入所施設」、「一人暮らし」、「自宅で家族と」という4つの例が挙げられ、それぞれに使える障害福祉サービスが説明されていました。それを読みながらわが子にどんな暮らしを望むか考えてもらいました。すでにグループホームをご利用の方に入居を決めた理由をお聞きしたところ、「当時は高齢化する自分たちのことを考えて決めたつもりだったが、振り返ればホームが完成したのをいい機会と捉えたことが大きかった。」と言われていました。また「方法があるのなら住み慣れた自宅で暮らせるようにしてやりたい。」「ずっとわが子と暮らしたい。」「どうなるか今は分からないが、親なき後も大丈夫と思える状態になるところまで見届けたい。」などの意見がありました。途中入所施設やホームでは空き時間に手持ち無沙汰で何をしていいか分からず、結果こだわりの行動をしてしまうというご意見から、余暇の話になりました。知的障害のある人は自分からしたいことを発信できない人も多くいらっしゃいます。「何でもいいので何か熱中できるものを見つけておいてあげるのは親として大切。」「ホームや施設にプレイルームがあればもっと楽しむ時間が増える。」などさまざまな意見がありました。

またお子さんの通院介助をいつまでできるか不安という話から、医療の確保についての声も上がりました。知的障害のある人たちは自分の体調をうまく伝えられず重症化することも少なくありません。ホームや入所施設に往診に来てもらったり、健康診断を充実させ、早期に病気を発見し治療することで通院を減らすなどの方策が必要になってくるのではないかという話になりました。

今回の話から、住む場、生活の場を確保しただけでは安心とは言えず、そこでの余暇の過ごし方や健康に暮らすことなども考えないといけないということに改めて気づかされました。次回は自身も後見人の経験がある育成会の相談支援事業所「いんくる」の神林所長に来ていただき成年後見についてのお話を伺います。6月22日(火)10:00~12:00の予定で育成会支援センター(大橋町)で行います。