親あるうちの暮らし方、親なきあとの暮らし方

先日開催された九州地区手をつなぐ育成会福岡市大会において「親なき後の本人の暮らしの現状と課題について」というテーマで本大会が行われました。各方面(保護者、障害福祉事業所、介護福祉事業所)からそれぞれの立場からの報告及び発表がありました。これまで実施した会員定例会でも知的障害のある人の親なき後問題はたびたび取り上げてきましたが、今回の定例会では長崎市育成会で職員研修の一環として取り入れているeラーニングの「成年後見制度の算定改定について」と「入所施設の高齢化に伴う課題について」のコンテンツを視聴し参加者の皆さんと研修しました。

障害のある子どもを持つ親にとって、親なき後わが子が”いつ””どこで””誰と””どのように”暮らすのかは大きな問題です。また、暮らし方と共に障害のある人の親なき後を考えるときキーポイントとなる成年後見制度も親にとって避けては通れない課題です。知的障害のある人にとって利用しにくいといわれている成年後見制度ですが、全国手をつなぐ育成会連合会などの働きかけで今後、少しずつ利用しやすくなりそうだとの解説にわずかな希望を感じました。また全国的に障害のある人の高齢化問題が話題に上がりますが、入所施設においても障害のある高齢の利用者と、若い元気な障害のある利用者が同じ施設で生活する”8020”問題があり、事実利用者同士がぶつかり合ってけがをするという事例もあるそうです。ある県の障害者入所施設では新たに高齢者用の施設(別館)を建設したという報告もありました。いずれにせよ関係者だけではなく広く国民的な議論を展開していくべきことではないかとの説明に、将来的にいい方向性が見いだせればと思いました。

次回の定例会は11月22日(水)10:00から大橋の育成会事務局会議室で「親あるうちの暮らし方、親なき後の暮らし方 Part2」として今回の話題をより深く皆さんとお話しできたらと思います。親なき後にいくらかかるのか?高齢期を本人らしく生きるには?自分(親)の老い支度とは?など色々な切り口でざっくばらんに話し合ってみましょう。