国連の障害者権利条約では『地域で生活することは権利であり、国はどこで誰と暮らすのかを選択する機会を確保し、特定の生活施設(入所施設やグループホーム)で生活する義務を負わせてはならない』と定められています。2022年にこの権利条約の内容が進展しているかチェックする審査(対日審査総括所見)では日本の取り組みが遅れているとの強い要請を受けています。そのような流れを受け、障害があっても住み慣れた地域で暮らすという考えにより入所施設から入居者の地域移行が進められるようになり、入所施設は規模縮小、減少傾向にあります。とはいえ現実問題として住まいの場として入所施設を望む声は根強いものがあります。特に多くの支援が必要な方や強度行動障害など行動に課題がある方にとっては24時間体制で支援が受けられる入所施設は安心できる場所セーフティネットという側面があるのも事実です。さらに住まいの場=日中活動の場であることは移動が難しい人にとってはメリットがあると思われます。しかし入所の希望を出しても、すぐに入れる施設がなく順番待ちの状態になりいつ入所できるのか分からない不安を抱えて生活するしかないという話も聞きます。一方で長崎市での障害者支援施設での虐待報道は記憶に新しく、ショックや不安を感じた方も多かったと思います。関心の高さを物語るように今回の定例会は多くの方に参加していただきました。
まず最初に入所施設とグループホームの違いや日常生活の流れ、支援の量的な違いや、必要な費用の比較などを取り上げた動画を視聴しました。参加された方の多くは入所施設でのショートステイなど利用されたことがない方が多く、基本的な情報を共有することが出来たようでした。動画の中で印象に残ったのは強度行動障害など行動に課題がある人が入所施設を利用するとスケジュールが固定した日課と単調な生活で落ち着く人が多いが、お一人お一人の生活の質(好きな事や趣味、嗜好など)を向上する支援が必要とのお話しに、人手不足や行動に課題のある人への支援の難しさがあったとしてもまずは一人の人間として尊重された支援が大事だと感じました。また親としては自分が子どもと生活できない状況になった時の生活の場としてグループホームと入所施設のいずれかを選択せざるを得ないにもかかわらず、数的に圧倒的に不足していてその選択さえ出来にくい現状に暗澹とします。そして最近新聞報道された虐待事案についても話題になり、入所施設に限らず信頼して預けている事業所で起こった事件は親としてやり場のない憤りを感じずにはいられませんでした。私たち親はわが子が利用する障害支援事業所に関心を寄せながらコミュニケーションを密に図り、それと共に子どもの変化にも気付けるよう心掛けることが必要な気がしました。
次回の定例会は3月19日(木)10:00から長崎市育成会大橋事務所会議室にて 「障害のある人の暮らしの場」についてさらに考えてみましょう。今回の定例会でも多くの方に参加いただき皆さんの関心の高さを伺い知ることが出来ました。もう少し同じテーマで話し合ってみましょう。
