タイムケアの今月の目標は「丁寧で、年相応の声のかけ方をしよう」ということになりました。スタッフミーティングで、言葉使いの話題になった時、「お手手とかお目目とか言うのはいかがなものか…」という意見があり、障がいのあるがゆえに、いろんな場面でわが子は子どもに扱われている気がするという、お母さんスタッフの一言から始まって、この目標に決まったのでした。
育成会には”職員行動規範”というものがあります。職員ひとり一人は年齢も考え方も違いますが、利用者に対しては、同じ考え方や想いで支援していこういうことで、育成会の精神を反映させ、障がいのある人の人権を意識した内容になっています。
その中に「利用者を〇〇さんと呼びます」という一文があり、育成会の事業所では利用者をさん付けで呼ぶようになっています。数年前、タイムケアでも「〇〇さん」と呼ぶようにしようと、早速実行しました。、今まで「〇〇ちゃん」「〇〇君」と呼ばれていたのが、「〇〇さん」になり、戸惑いを隠せない子もいましたし、中にははっきりと「その呼び方はいや」という子もいました。結局、社会人として、もう大人である人が通う事業所と、学齢期の子どもたちが利用するタイムケアを同じに考えなくてもいいのではないか、呼び方が変わることで自分のことだと分からない人もいるかもしれないし、そのせいで落ち着かない気持ちになることもあるだろうと、当時はタイムケアの活動では、絶対ではないけれどできるだけ丁寧な呼びかけ方にしようということに落ち着いたのでした。
お母さんの中には、「〇〇さんという呼び方は、なんかよそよそしい感じがして好きじゃない。」と言う方もいらっしゃいます。ちゃん付けや呼び捨ては親しい感じがして、本人と支援者の距離が縮まる感じがするのでしょう。さん付けで呼んだから、良い支援ができるわけではありませんが、丁寧な呼びかけには丁寧な言葉が続きます。(「〇〇さん、~してください。」とか)、利用者の人権を尊重し、年相応に対応するということは大事なことですね。
さて、6~7月の活動をご報告します。
●ピザ作り
ピザを生地から作ると発酵させる手間や、生地をこねる時に手が汚れるのを嫌がる子どもさんが多かったということがあり、タイムケアではもっぱらピザトーストだったのですが、「体験」を大事にする育成会タイムケアとしては、やっぱり生地から作ろうということになり、発酵なしのピザ生地をネットで探してチャレンジしました。
小麦粉にホットケーキミックスを加えると、薄く伸ばした生地が膨らんで、ボリューム満点のピザの出来上がりです。
それぞれ好きなものをトッピングし、残りは学生スタッフのアイディアでミネストローネスープに大変身。フルーツヨーグルトのデザート付きで、おいしいランチの出来上がりです。
みんな大満足でお腹いっぱいになりました。
●七夕飾り
日本の年中行事も、家庭ではなかなかやらなくなってきましたよね。せめて、タイムケアで体験してもらおうと、豆まきやひな祭りなど季節の行事も活動に取り入れています。
7月といえば七夕なので、七夕飾りを作ってみました。最近は笹に見立てた商品が100円ショップに売られてるんですよ。七夕飾りに使う飾りや短冊も、なんでも売られているようです。実は、本物の笹を用意したのですが、準備が早すぎて、笹が乾燥して葉が落ちてしまい、使えず涙を飲んだのでした。(100円ショップがあってよかった~!)
次の日には「七夕パーティ」と称し、ちらし寿司やそうめんを作って食べました。
●絵手紙を描こう
今回は静物(果物)を描くことに挑戦しました。しかし、キャラクターを描くのが得意な参加者は、あっという間にアンパンマンを描き上げてしまいました。
果物をじ~っと見つめるだけで、なかなか手が動かない参加者もいましたが、ほかの人が描いたものを見て、それを真似て描いた参加者もいました。描いたあとで、水をつけた筆でぼかすと水彩画風になるクレヨンのようなものを今回使ってみました。個性的な作品が出来上がりました。こんな絵手紙をもらったら、楽しいですね。
●KTN見学
夏休み恒例のテレビ局見学第一弾としてKTNを見学させていただきました。いつもテレビで見ているセットに座らせていただき、大興奮!モニターに映る自分に見とれて、気分はもう芸能人?
また、テレビのモニターがずらりと並んだ機械でいっぱいの部屋にも入れていただき、見学させていただきました。
テレビ大好きな参加者も、こんなにたくさんの手をかけて、番組が放送されていると分かり、今度からテレビを見る目が変わったかもしれませんね。
●小ケ倉水園
今年の暑さは格別ですね。夏休みには山里小学校のプールや野岳の水遊びなど、やはり水関連の活動は人気です。そして、毎年出かけているこの小ケ倉水園は人も少なく、思いっきり水遊びできる穴場です。
みんな、気持ちよさそうに大はしゃぎでした。大胆に浸かる参加者や、そ~っと足だけ浸けてみる参加者、それぞれの性格が表れていました。
参加者の歓声が聞こえてきそうですね。