愚かなことをする権利?!

 先日、会議の資料として「知的障害を持つ人の権利擁護」という読み物が配布されました。その中に「間違える権利」「愚かなことをする権利」という表現があり、とても引きつけられました。

 最近よく耳にする「自己決定」という言葉。自分らしい人生を送るためには、自分のことを自分で決めるのは大切です。しかし、本人が決めた事が適切でないこともあります。その読み物には、「そうであったとしても、危険や他者に損害を与える場合を除き、間違える権利や愚かなことをする権利も当然認められるべき」と書かれていました。「なぜなら、人は試行錯誤をして成長する存在だから…。」

 親や支援者は、自己決定が難しい障がいのある人の代弁者となって、よかれと思って自己決定に手を貸そうとします。そこには「失敗しないように…」とか「恥をかかないように…」という思いが介在していますが、本人はその失敗や恥ずかしさなんて、さほど恐れていないのかもしれませんね。むしろ、周囲の「失敗したらいけない」という価値観が優先された決定になってはいないでしょうか。

 育成会タイムケアでは、活動の中でお弁当やジュースを選ぶという簡単な自己決定から、調理ではどの仕事を担当したいか、自由時間に何をして遊びたいかなど、何かを決める機会をたくさん用意しています。もちろん、全ての場面で全てのお子さんが意思表示をするわけではありませんので、そのあたりの能力開発支援についてはまだまだ勉強が必要です。

 これからも、たくさんの経験を通して自己決定ができる力をつけられるように、お手伝いをしていきたいと思います。

 今回は9月末から10月中旬の活動の様子をご報告します。

●障がい者アート展作品作り   9163.jpg

昨年より長崎市が開催している「障がい者アート作品展」の作品募集の案内を、今年もいただきました。今年は大賞を狙ってカレンダー作りと、来年の干支のヘビを貼り絵にして描いてみました。

 スタッフの手を9161.jpg借りながら、ぺたぺたと思い思いに 色紙を貼っていく子どもたち。             

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大迫力のヘビができあがりました、来年もいいことがありそうですね happy01  heart04      

                                          

 

●居留地まつり

9221.jpgタイムケアでは、南山手、東山手、大浦地区一帯で開催されている「居留地まつり」に、ここ数年参加しています。

この日は小雨がぱらつくあいにくのお天気で、スタンプラリーは断念し、室内での工作などを中心に楽しみました。

竹細工のコーナーでは、竹を使った昔懐かしいおもちゃで遊びました。9223.jpg

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工作では、木片に色を塗って組み合わせ、かわいい家の出来上がりです。

 どれもカラフルな個性あふれた家ができてますね。

 

 

●育成会運動会run

1071.JPG1072.JPG秋に開催される育成会の運動会に、毎年参加しています。今年の会場は県立総合体育館(アリーナかぶとがに)でした。

賞品がたくさんゲット出来ると、お母さん方に大評判(?)の育成会の運動会。今年もいろんな賞品を手にして、大満足の子どもたちでした。

 

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昨年は、午前の競技で疲れてしまって「もう出ない!pout」とばかりに、座り込んで動かなくなったAさんでしたが、今年は、午後からの競技にもスムーズに参加でき、成長を感じさせてくれました。

一人での参加が難しいかなと思えるお子さんにはスタッフがついて出場しますが、中にはおいて行かれそうになるスタッフもいて、競技の後はフウフウsad dash

今年はV-ファーレン長崎の選手とマスコットのヴィヴィ君も参加していただき、いっしょに走ったり、ボールパスをしたりと交流も楽しみました。

 

●ながさきくんち

ながさきっ子の血が騒ぐ(?!)ながさきくんちも、タイムケア恒例の活動です。1081.jpg

なにしろどこへ行っても人、人、人sign03 人の中へ行く活動では、いつもよりいっそう神経を使います。迷子になったら簡単には見つけられなくなるので、何度も何度も人数確認をしながら、できるだけ、人の少ないコースを選んで移動しました。

おくんちの楽しみはなんと言っても出店ですよね。今回みんなおこづかいを持って来てもらい、買い物もしました。

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1082.jpgかわいいもの大好きなAさんは、大好きなキャラクターのお面やおもちゃも店を中心に、スタッフと見て回り、いつもは綿菓子を買うという事でしたが、今回は好きなプリキュアのおもちゃを買いました。

子どもたちにの中には、自分で決められないお子さんや、人の買った物をそのまま買うお子さんもいて、自己決定の力を伸ばすために、もっともっと「決める」という場面を作ってあげたいな~と思ったスタッフなのでした。