長崎市育成会では昨年9月会員アンケートを実施し、会員の皆様から忌憚のない多くのご意見をいただきました。そのアンケートの集計結果を基に「どうする育成会!」と題して定例会を開催しました。「今、気になっていることは何ですか?」の問いには、①親なきあと74人②親の高齢化55人③本人の老化38人(複数回答可)との結果になりました。会員の高齢化それに比例して知的障害のある本人の老化および重度化などの課題が上がってくるのでは?と予想はしていましたが、それを裏付ける結果となりました。参加者の皆さんも”高齢化”の問題は切実で、自分の老化もさることながら子どもが今までなかったようなこだわりが出てきたり動きの緩慢さが目立つようになったりなど、老化を実感される方もいらっしゃいました。また、成年後見制度の必要性を感じ、ご自身で成年後見の講習を受講され、晴れて市民後見人の登録を取られた方もいらっしゃいました。
また残念なことですが、長崎市育成会の会員減少は否めない事実です。これは長崎だけの問題ではなく全国的に同じような現象が現れているようです。会員のニーズを掴むため、「育成会に今後力を入れてほしいことは何ですか?」という質問もしました。結果として親子で住める(高齢者向け・共生型)グループホームの増設が最も多く、”親なきあと”をテーマにした研修会の企画、災害時の避難場所の提示、きょうだいに向けた活動など幅広い意見が寄せられました。アンケートの自由記述にもたくさんのご意見をいただきました。もちろん全てが実現可能な事ではなく難しい問題ばかりですが、”親の会”として発足した育成会が魅力ある育成会であるためにも、少数であっても会員の声に耳を傾ける姿勢は必要だと思いました。
3月の定例会は16日(木)10:00~12:00 「知的障害者の認知症診断」についてのWebセミナーを視聴してみませんか?知的障害のある人の認知症はどうやって診断されるの?どうやって認知症に気付けばいいの?などWebセミナーを視聴しながら勉強してみましょう!

後半は育成会活動(定例会の内容や研修会のテーマ、啓発など)についてざっくばらんに話し合いを行いました。現在、心理学を学ばれている方はメンタルヘルスの重要性を説かれ臨床心理士を講師に迎えて会員だけではなく職員も参加できる研修会を企画してみてはどうだろうと提案があったり、学齢期の子どもさんをお持ちの方からは学齢期前の保護者を対象にした定例会を開催してみては?など色々参考になるアイディアをいただきました。また前半で視聴した事業所の紹介のように福祉サービスの形態別(生活介護、B型、就労移行など)に特徴が分かるような動画の試聴会を企画して頂けるとありがたいというご意見もいただきました。今後はいただいた貴重なご意見を基に幅広い活動を展開していけたらと思いました。























学齢期のお子さんをお持ちの方からは2022年4月1日に改正された”成人年齢の引き下げ”に伴う金融機関での諸手続きの不安や成年後見制度についての質問が上がりました。谷理事長は現行制度の説明と全国手をつなぐ育成会連合会が参画している厚生労働省主催の「成年後見制度利用促進会議」での久保会長のお話など現在変貌を遂げつつある成年後見制度の現状を説明されました。知的障害のある人にとって利用しにくい側面があるといわれる成年後見制度ですが、全育連をはじめとする障害のある当事者団体の提言を基により使いやすい制度になるよう取り組まれているというお話に質問された方はもとより、他の方々も興味深い内容だけに熱心にお話を聞かれていました。
3年ぶりの開催となった定期総会ですが、以前のような各事業所の利用者の皆さんが参加して賑やかに実施していた総会の形態とは変わりましたが、コロナ禍においての総会の形としては良かったのではないかとのご意見も多くいただきました。全ての行事を中止にするのではなく、感染リスク回避の工夫をしながらできる限り実施できるものは実施してwithコロナの日常を送らなければならないと感じた一日となりました。 (Saya)