「2024年を振り返ってみよう!」

月に1回のペースで開催している会員定例会ですが、今回は今年最後の定例会ということでテーマを決めずにフリートークをしました。毎回会員の皆さんが興味を持たれそうなテーマで話し合ったり、講師の方をお迎えして聴講したり、動画を視聴したりしていましたが、今回は今までの定例会で取り上げたテーマを振り返りながら話し足りなかったり、もう少し深く聞きたい内容を話し合ってみました。グループホームの利用を考えているが実態がよく分からないので、親子で体験利用ができるとグループホームでの生活がより具体的に想像できると思うとのご意見に共感される方もいらっしゃいました。グループホームに関連した話題では「どこまで支援を依頼できるのか掴めない」、「生活力を伸ばすような支援をお願いしたい」、「グループホームと入所施設の中間くらいのより支援をしてくれるグループホームが多くあれば」、学齢期の保護者の方からは「親なきあとも関心はあるけれど、もう少し若い親に向けたテーマがあれば、友だちを誘いやすい」など多岐に渡る話が出ました。以前育成会グループホーム支援センターの課長に出席いただきお話しして頂いきましたが、次はケアホームの所長さんに参加いただきお話ししていただく定例会も企画出来ればと思いました。また、子どもが利用している事業所や学校、放課後デーサービスへの要望の伝え方もどこまで言っていいのか悩まれる方もいらっしゃると思います。ある方はまずコミュニケーションを密にして信頼できる関係作りをしたうえで、自分の思いや要望をストレートに全て伝えていると話されていました。

後半は事務局員が手作りしたバスクチーズケーキとコーヒーをいただきながらざっくばらんにお話に花が咲きました。今年最後の定例会に参加された方へのささやかなプレゼントに喜んでいただけたようでした。

来年1月の定例会は1月22日(水)10:00~「個別支援計画書について考えてみよう!」と題して育成会大橋事務所会議室にて行います。学校や事業所で日々の支援をするにあたって作成している個別支援計画書ですが、本人や家族の思いがどれだけ反映されているのでしょう?また家庭ではどのように活用していけばいいのでしょうか?モニタリングや担当者会議後に提出され、毎回当たり前のようにいただく個別支援計画書ですが、皆さんの受け止め方、捉え方について話し合ってみましょう。

※来年も会員の皆様に興味を持って参加して頂けるような定例会を企画したいと思います。気になる話題やテーマがある方は啓発事業部までご連絡ください。まだ参加されたことのない方も是非お気軽にご参加ください。

 

「わが子にとって心地よい居場所とは」

全国手をつなぐ育成会連合会が発行する会誌「手をつなぐ」10月号でも「あなたの居場所」という特集が組まれていましたが、障害のあるなしに関わらず心地よい居場所づくりは人生を豊かにするために大切なことだと思います。いま本人の「ここにいたい」を大切にした居場所づくりが全国でも広がっているそうです。自宅と学校や事業所以外の本人が心地よいと思える居場所づくりが出来れば理想的かもしれませんが、皆さんどのような心地よい居場所を持たれているのでしょう?

お話をお聞きすると、ピアノやダンス、スポーツなど習い事を楽しんでいる方は多く、本人にとってその時間その空間が心地よい居場所になっているのではないかというお話も出ました。ただ親が余暇を充実してほしくて選んだ活動であって本人の意思で選択したものではないので、はたして本人が本当に心地よいと感じているのか疑問だとの意見もありました。でも本人はニコニコ表情良く参加しているので、その表情が意思を表出していると考えて良いのでは?と話される方もいらっしゃいました。また、グループホームに入所されている方は帰省した時、父親の書斎でリラックスした表情でくつろいでいるのを見ると、本人の心地よい居場所はこの書斎なんじゃないかと思うと話されていました。さらに子どものころから演劇鑑賞サークルに20数年所属していて、イベントや会議なども本人の意思で欠かさず参加している方もいらして、まさに本人が自発的に自分の居場所作りをしていると思うと仰っていました。障害のない方ばかりのサークルなのでいろいろ迷惑もかけていると思うが皆さんに助けてもらっているのではないかと話されていました。今回の定例会には長崎市手をつなぐ育成会の生活介護事業所夢工房みどりの施設長も参加されました。今年の事業所目標として「本人さんが楽しいと思える居場所に!」を上げられているので会員さんたちの声を聴き、今後の施設運営の参考にしたいとのことでした。本人さんたちがどうしたら楽しいと感じてもらえる居場所になれるかを模索される姿勢に障害のあるこどもの親として嬉しく思いました。

障害があっても躊躇なく出かけられる心地よい居場所があれば理想的ですが、そういったスポットがなくてもヘルパーさんとお気に入りの場所に出かける、スポーツジムに出かけ汗をかく、ダンスサークルに所属してダンスを楽しむ、、、など活動や人とのつながりで心地の良い居場所、楽しいと感じる居場所は作れそうと思う反面、他の一般の利用者の理解がないといろいろと苦情も入り注意を受ける場面もあるようで障害理解の啓発活動はまだまだ必要だと考えさせられました。

12月の定例会は17日(火)10:00~ 育成会大橋事務所会議室にて開催します。今年最後の定例会は2024年を振り返りながら、お茶とお菓子をお供に特にテーマを決めずに楽しくおしゃべりしましょう!今まで参加されたことがない方もお気軽にご参加ください。

よろずお悩み事相談!

定例会で集まるとテーマに沿った話の中でも、いろんな心配事や悩みがみなさんの口から出てきます。10月の定例会は「よろず悩み事相談」と題し、気になっていること、悩んでいることなどに絞って話し合いました。

最初は恒例の自己紹介です。今回は初参加の方も2名おられました。読書の秋にちなみ、読書を織り込んで自己紹介していただきました。読書好きの方が多かったですが、年とともに読まなくなった方や心理学の難しい本に挑戦している方、「昔は子どもの障害に関する本を読み漁っていたが、今は定年後の暮らしに関するものに変わった」という方など、それぞれ楽しいエピソードを聞かせていただき、すっかり和んだところで本題へと入りました。

最初に出たのはやはり「親なきあと」の不安でした。「親なきあとをどうしたらいいの?」「65歳になったら介護保険?」「グループホームに入れるの?」など、これまでも何度となく話し合ってきたテーマです。相談支援専門員と話す、福祉の専門家と繋がる、親心の記録を残すなど意見がありました。中には「親同士が仲よくなっても、離れたところで暮らしていたらいざというとき駆け付けられないし、本人だけでは意思の疎通が難しいので家族も一緒にいたほうがいい。公営住宅などを1棟障害者の家族専用にして、みんなで助け合って暮らせるような場所があれば。」「障害児の親として印象を悪くしないようにと先輩ママから言われ、障害のある子がいても元気なお母さんと思ってもらえるようマンションの方ともいい関係を築いてきた。仲間で話し合う場や助け合うことができればもっと気持ちが軽くなる。」など、親同士の繋がりを大切に感じられる方が多くおられました。当会理事長からは「以前親が亡くなり子ども一人残された方がおられたが、育成会の仲間が集まって葬儀や事後処理を行った。ご本人も親を亡くした喪失感はあったと思うが、今の自分の居場所に戻って行かれた。そういう居場所を作っておくことが大事。困っていることや悩みをみんなで出しあって、解決できることもある」というお話があり、悩み事相談の場の大切さを改めて感じた回でした。他にも年金のことやきょうだいの結婚についてのご心配もあり、「よろず相談第2弾」もありかなと感じました。

11月の定例会は…                             今月号の「手をつなぐ」に『あなたの居場所』という特集がありました。とても興味深い内容でしたので、「居心地のいい場所はありますか?」というテーマでわが子にとっての居心地のいい場所について考えてみたいと思います。

とき:11月21日(木)10:00~12:00             ところ:育成会生活支援センター会議室(大橋町)

親なき後の居場所は・・・

今月はテレビ新広島制作でFNSドキュメンタリー大賞を受賞した『彷徨う居場所~親なきあとわが子の居場所は~』を視聴しました。テレビ放映されましたのでご覧になった方もおられると思いますが、この番組は2人の障害のある子を持つ家族の日々を追ったドキュメンタリーです。国の「地域移行」推進により、入所施設の数は減少しています。その一方で地域の理解やグループホームなどの居場所としての受け皿はまだ十分とは言えません。そのような状況の中わが子が安心して暮らせる居場所を模索し続けながら、行政や国にも積極的に働きかけを続けるお父様の姿に色々と考えさせられることが多く、その懸命な姿に胸が熱くなりました。障害者権利条約の批准もあり”障害があっても地域で暮らす”という理念は素晴らしいものの、グループホーム建設に反対する地域住民が旗を立ててシュプレヒコールを上げる場面では、このような不寛容な世の中に障害のある人の居場所があるのか?と考えると胸が痛みました。

1時間弱の番組を熱心に視聴する参加者の皆さん

参加者の皆さんも「今入居しているグループホームが息子にとって終の棲家となるのか?」「24時間体制でヘルパーさんに支援してもらえば自宅で独り暮らしができる障害のある人もいると思うが、今の現状では人手不足もあり難しいだろう。」「利用している就労継続支援事業所が法人内でグループホームを運営していないのでグループホーム探しに苦労している。もしグループホームが利用できるようになったとしても、現在本人が気に入って通っている事業所の利用が難しくなる(距離的な問題で)のも考えものだ。」など様々な意見が出ました。グループホームや入所施設の数だけでなくその質も親にとっては大きな問題ではありますが、現状を知ることも大事なことだと思います。ある参加者の方は「この番組自体見てなかったので、すごく勉強になりました。」と言われました。一つのドキュメンタリー番組も十数名で視聴することでいろいろな意見を聞き、情報も得ることができ、考えるきっかけになります。”親なき後”に大きな不安はありますが、みんなも同じように感じていると知ることで少し心が軽くなった気がしました。

次回の定例会は10月17日(木)10:00~ 育成会大橋事務所会議室において「よろずお困りごと相談室」として、福祉に関してのことやこどもの謎な行動、障害のある子への家族の対応で気になる事など小さなことから大きなことまで皆さんで話し合ってみましょう。話すことで何かしらのヒントが見つかるかもしれません!

 

「どんなことしてくれるの?」長崎市権利擁護・成年後見支援センター

8月の定例会は長崎市社会福祉協議会が今年4月に開所した「長崎市権利擁護・成年後見支援センター(通称「権利擁護センター」)」について知ろうということで担当の方をお招きしお話を伺うことにしました。当日は総合相談支援課課長、権利擁護センター相談員、長崎市女性サポートセンター相談員の方3名にお越しいただきました。

長崎市社会福祉協議会の総合相談支援課の課長田中さんと「権利擁護センター」相談員の白石さん

参加されたみなさんは「権利擁護」や「成年後見制度」についてのお話に熱心に耳を傾けられていました

最初に長崎市の社会福祉協議会の相談窓口についてお話があり、どこに相談していいか分からない方のために「しゃきょう”なんでも”相談」という窓口があること、親に何かあったときの”3つそなえ”として①どこに住み、どこで働くのかという「居場所のそなえ」②誰とつながっておくのかという「支援者のそなえ」③本人の願いをかなえるための「生活費のそなえ」についてお話しいただきました。

後半は「権利擁護」と「成年後見制度」についてのお話で、権利を守る福祉の仕組みとしての「成年後見制度」と「日常生活自立支援事業」のそれぞれ内容や違い、メリット・デメリットなどについても丁寧に分かりやすく説明していただきました。そして長崎市からの委託業務でもある4月開所の「長崎市権利擁護・成年後見支援センター」がどのような活動をしているのかについてのお話もありました。市民や関係機関から寄せられる制度や申し立てに関する相談に対応されていますが、もうすでに120件の相談を受けられているとのことでした。相談料や出張費用はかからないそうで、とても身近な相談窓口になりそうです。

終了後にはみなさんからいくつも質問が上がり、ひとつひとつに丁寧に回答いただきました。聞きたいことがあればいつでも呼んでくださいと言っていただき、社協さんがさらに身近に感じた定例会となりました。(詳しい内容は広報あじさい172号で報告します。)

9月の定例会はFNSドキュメンタリー大賞作品「彷徨う居場所~親なきあとわが子の居場所は~」を視聴し、親なきあとの居場所についていっしょに考えてみましょう。9月19日(木)10:00~12:00の予定で、育成会支援センター会議室で行います。

障害特性とどう付き合う?

障害のある子を持つ親として、わが子の障害特性と長年付き合ってきてもいまだに理解で出来なかったり、受け入れられない行動の対応に苦慮する場面は多々あります。障害の受容はできていても問題行動といわれるような行動に直面すると落ち込んだり、悩んだりします。一方で障害特性を無視して誤った対応を繰り返してしまうと二次障害を引き起こし、ますます本人の苦しさは大きくなってしまうという話を聴き、深く苦悩される親御さんは私ばかりではないでしょう。ではどのような対応が本人にとって適切なのでしょう?

今回は応用行動分析学をベースに自閉スペクトラム症や発達障害、知的障害のある人たちとその家族を支援されている鳥取大学の井上雅彦先生をお招きして”ながさき知的障害児者生活サポート協会主催講演会”を実施しました。井上先生は全国手をつなぐ育成会連合会が発行した自閉スペクトラム症のわが子との日常を綴った4コマ漫画「家族はすったもんだ」の監修も手掛けられていますが、講演会の中でもその漫画の一コマを取り上げながら自閉スペクトラム症の人のあるあるな行動・言動を応用分析学の視点から分かりやすくそしてユーモアたっぷりに解説いただきました。1時間半の講演時間を延長してお話しいただきましたが、終了後のアンケートでも「講演時間を延長されたとのことだが大変わかりやすく、面白くあっという間に終了した感じだった」との意見が大多数でした。ともすると家族として振り回されてしまう障害のある人の”こだわり”も成長とともり変化するというお話に、わが子を振り返ってもそうだったと納得しました。親としては”こだわり”を失くすことばかりに気を取られてしまいがちですが、その”こだわり”にとことん付き合い、面白がれることが出来ればもっと生活自体が豊かになるのかも、、、と感じました。

参加者の皆さんも熱心に聴講され、時には大爆笑が沸き起こる和やかな雰囲気の中講演会を閉じました。「また井上先生の講演会に参加したい」「すごく分かりやすく改めて障害特性を学ぶことが出来た」というお声を多数いただきました。知的障害のある方のご家族をはじめ福祉事業所などの福祉関係者、学校の先生、行政関係の方々など広い分野の方に参加して頂き、今回の講演会を実施することができ良かったと改めて思いました。

※ながさき知的障害児者生活サポート協会とは・・・知的障害や自閉症を含む発達障害のある方とその家族の生活上での安全・安心を目的として設立されました。日常生活中、偶然な事故により他人にけがをさせたり、他人の物を壊したりした時の個人賠償責任補償や病気やけがで入院した時の補償(入院給付金)などに保険金が支払われています。長崎市手をつなぐ育成会は「ながさき知的障害児者生活サポート協会」の取り次ぎ業務を行っています。

”親なきあと”お金で困らないための準備とは?

先月は”拡大版定例会”として定期総会時に「親なきあとのリアル」と題して、長崎市障害者基幹相談支援センターと相談支援事業所いんくるの両所長に実例を基にお話しを伺いました。アンケートでは具体的な事例を聞くことが出来て大変有意義な総会だったという意見をいただきました。

7月の定例会は”、親なきあと”の話題の中でも特に関心が高いお金のことについて話し合ってみました。まず長崎市育成会でも職員研修に取り入れているeラーニングで『親あるうちに考える”親なきあと”の準備と心構え』という動画を視聴しました。①「お金はいくら必要?」、②暮らしの場によって違う具体的な生活費は?、③「遺言」の必要性、④障害のある子に多くの財産を残したい場合、⑤「遺言執行者」についてなど障害のある子の親にとって気になるテーマばかりの内容でした。

視聴後の話し合いでもお金についてのみならず、障害のある本人の将来の住まいや暮らし方、成年後見制度について、きょうだいに障害のある本人のお世話をどこまでお願いする?など話が広がりました。また、法人でもなれるという「遺言執行者」に長崎市育成会が法人として携わってくれたら助かるのではないかという意見も出ました。いろいろな話題の中でも皆さん共通して関心が高かったのは、グループホームや入所施設への移行のタイミングについてでした。今は親である自分も元気なので直ちにグループホームや入所施設を利用させようとは考えないが、いざ自分が障害のある子の面倒を見れなくなった時に利用したいグループホームや入所施設が満室で利用できない場合どうなるのだろう。また、早い時期からグループホームを利用して、本人が自宅以外の暮らしに慣れるのを見るまで安心できないと仰る方もいらっしゃいました。今すぐに遺言書を作成することはできなくても、以前の定例会でも記入に取り組んだ「親心の記録」への追加記入や家族間での情報の共有など出来ることから取り組まなくてはとの意識を持ちました。

次回の定例会は8月19日(月)10:00~ 育成会大橋事務所会議室 令和6年4月1日に開所した「長崎市権利擁護・成年後見支援センター」から担当の方にお越しいただき、「成年後見制度」と「日常生活自立支援事業」についてお話しして頂きます。支援センターの役割とは?一体どんなお手伝いをしていただけるの?などこの機会に気になる成年後見制度について専門家にお聞きしてみましょう!是非お気軽にご参加ください。

『親なきあとのリアル』とは…?

先月末、長崎市手をつなぐ育成会の総会が行われ、理事長のお話や局長からの啓発事業に関する報告の後、長崎市障害者基幹相談支援センターの神林所長と当会相談支援事業いんくるの松下所長を迎え、『親なきあとのリアル~相談支援の立場から~』と題し話をお聞きしました。

 親の立場からの質問に対し、お二人が相談支援に携わってこられた経験から私たち親に知っておいてほしいこと、備えておいてほしいことなどを例を挙げながら分かりやすくお話しいただきました。両親そろっていてもどちらかが体調を崩すと不安やストレスからもう一方も体調を崩してしまい、たちまちお子さんの生活が困難になることや、配偶者が亡くなり、母と子、父と子の2人になった場合、ひとりっ子の場合、きょうだいがいる場合など、様々な場合についてどのような困りごとが起こるのか、リアルなお話を聞くことができました。また備えがあってよかった例もご紹介いただき、役立つお話も聞くことができました。成年後見制度の話では、育成会の顧問山本弁護士の「後見人を付ける必要性があるかどうか、本人のために動いてくれる親族が2名以上いるかということが成年後見制度を利用する目安」というお話もご紹介いただきました。

 親なきあとは、家族の状況、本人の状況によって変わりますが、日ごろから家族が本人についての情報を共有しておくこと、大切なことは文字に残しておくこと、周囲の人とつながっておくこと、福祉サービス以外の選択肢を増やしておくことなど、たくさんのアドバイスをいただきました。「本人のことを託す理解者・協力者を増やすことは親にしかできない、大切な親なきあとの備えです」という言葉が心に残りました。

7月の定例会では、総会での『親なきあとのリアル』からの延長戦として『どうやって残す?』と題し、親なきあとのお金のことを中心に話し合いたいと思います。

7月17日(水)10:00~12:00

育成会生活支援センター会議室(大橋町)

 

「こんなサービスあったらいいな!」

障害福祉サービスも充実してきた昨今ですが、地域によって受けられるサービスに差があったり、サービスの受給はしているものの契約した事業所の人材不足等のために必要な時にサービスを受けられない場合もあるようです。障害があっても地域で安心して豊かに暮していくために、あるいは親なきあとの本人の選択肢をふやすためにどのようなサービスがあればいいのでしょうか?今回の定例会では共生型サービスを先駆的に始められた富山の事業所の取り組みを取材した番組と、重度の知的障害のある人にも2014年から利用が可能になった重度訪問介護を利用しながら独り暮らしをされている方の動画を視聴し、皆さんで話し合ってみました。

共生型サービスについては定例会に参加された当法人理事長から、育成会5か年計画でも共生型の計画も入れているが共生型は介護事業が中心であり障害分野の充実が難しいことや、給付費の問題がある事などを説明されました。重度訪問介護についてもヘルパースタッフの恒常的な人材不足があり、なかなか稼働できていない状況にあるようです。参加された方からは、「今後はヘルパー事業の充実のために、各移動支援事業所が連携してネットワークを構築して取り組んでいけないものか?」という意見も出て、なるほど!と思いました。今でこそ障害のある人が地域で暮らすための障害福祉サービスが充実してきていますが、一昔前はサービスもなく育成会の会員さんによるインフォーマルの助け合い(互助)で支えあった歴史があるという先輩の会員さんのお話に、若い参加者の方は驚かれていました。障害があっても地域で暮らすために自治会活動への参加や民生員・児童員との繋がりについての話題が広がり、親が高齢化するにつれて地域に暮らす障害のある子どもの存在をご近所に知ってもらう重要性を感じました。民生員・児童員との繋がりはひいては災害時においても有効ではないか?との意見も出ました。障害福祉サービスの充実は重要なことではありますが、育成会の会員同士や地域の方々との繋がりなど人と人とのつながりが大切だと改めて感じた定例会となりました。

次回の定例会は6月29日(土)育成会定期総会を拡大版定例会として実施します。相談支援事業所いんくる所長と4月から開業した長崎市障害者基幹相談支援センター所長に「親なきあとのリアル~相談支援の立場から~」と題してお話しして頂きます。経験豊富なお二人に今まで担当された数多くの実例を基に将来のために今できること、サービスや成年後見制度ではカバーしきれない部分などお聞きしたいと思います。貴重なお話が聴けるものと思いますので、是非お申し込みの上ご参加ください。※なお定期総会は長崎市育成会会員の方がご参加いただけます。(小)

 

 

特別支援学校より「障害基礎年金学習会」にお呼びいただきました。

全国手をつなぐ育成会連合会が、各都道府県育成会に向けて行った障害基礎年金に関するアンケートを基に令和4年「教えて!障害基礎年金」というDVDを作成しました。成人する前の本人さんや親御さんのための内容で、筑波大学の大村先生による詳しい障害基礎年金の解説と、全育連の又村常務理事が進行して社会労務士で親なきあと相談室を主宰されている渡部伸氏に年金申請時の大事なポイントや手順をQ&A形式でお話しいただく2 本立ての内容となります。先日、このDVD視聴を主な柱とした「障害基礎年金学習会」を長崎県立鶴南特別支援学校で実施させていただきました。1時間程度のDVD視聴の後、実際の手続きの流れの説明および既に障害年金の申請を行った先輩としての体験談をお話しさせていただきました。

障害のある子を持つ親の会である育成会会員の”声”を基に作成されたDVDだけあって、障害基礎年金申請のポイントを中心に展開されるQ&Aは、「なかなか他では聞くことが出来ない内容でとても勉強になった。」という感想をいただきました。また経験者として「それまで精神科の受診がなかったので、まず診断書を書いてくださる病院(医師)探しに苦労したが、先輩のお母さんに教えていただいた病院で診断書を書いてもらうことが出来た。」「医師には子どもの日常生活の大変さを理解してもらっていると思っていたが、障害基礎年金申請時の聞き取りに安易に『手助けがあればできる』と答えたのが災いしたのか1級が受給できると思っていたが2級の受給だった。」という話をしました。

DVDの締めくくりに全育連として①知的障害は精神障害と同じ一類型ではなく、固定的な障害としての位置づけを②固定的な障害として、再認定(更新)をなくして永久認定の方向へ③年金が所得保障と位置付け生活の礎であることを明確に④金額を生活保護の水準に!という4点の要望を上げているという説明もありました。参加された皆さんはメモを取られたりしながら真剣にお聞きいただいていました。障害のある人にとっての所得保障といえる障害基礎年金に対する意識をより強く持っていただいたように感じました。(小)