「親以外の人とのつながり、どう作ってますか?」

人は生まれてから成長するに伴い、家族以外の人との関り・つながりが生まれてきます。乳児の頃は家族、親戚、ご近所などある程度限られた世界。幼稚園、小・中・高と学齢が上がるにつれ交友関係も変化し広がっていきます。社会人になれば仕事を通じた付き合い、趣味の付き合い、恋愛し結婚してまた新しい家族としてのつながりを築く人もいるでしょう。そもそも人に対してコミュニケーションをとるのが苦手な知的障害・発達障害の人に友達を作ってみんな仲良くしましょう!と知的障害のない側の論理を押し付けるのはあまり意味がないようにも感じます。では自分から関りを持つのが難しい知的障害のある人は、家族以外の人とどのようにつながりを作っているのでしょう?

参加された方にお話を聞くと、「小さいころからどこに行くにも一緒に連れて行き、知的障害のある子ということをご近所の方に知ってもらうように心がけていた。」と、多くの方が近所の方との関りを大切に考えていらっしゃるようでした。ある方はご近所の人に、子どもに知的障害があることを伝えていたので、子どもがトラブルに巻き込まれそうになった時にその場に居合わせたご近所の人に助けられたそうです。また「学校の交流の場で、集団がストレスになるわが子に対し『ともだちできた?』という先生の声掛けが負担だった」という声もありました。さらに知的障害のある人をきょうだいに持つ”同胞・きょうだい児”にも話題が及び、友達を家に連れてきた”きょうだい”がフランクに知的障害について説明する姿を見て親として嬉しかった話や、障害のある子がきょうだいの結婚に影響するのではないかと心配した話もありました。ある会員さんは障害の程度が軽いので普通学校に進学させたが、友人関係でいじめを受けたり金銭面でのトラブルがあり、今となっては辛い思いをさせたのかなと申し訳ない気持ちになったと話された方もいらっしゃいました。親も子も年齢を重ね、だんだん親子関係から友人関係に近くなってきたという話、たまたま散歩の時に顔見知りになったおじいさんと仲良くなり、数年間一緒に近所を散歩するようになったという話など、人とのかかわりについてたくさんのお話を伺うことができました。

いずれにせよ、自分から人への関りを持ちにくい知的障害のある人にとって、「人との関り」とは周囲の人に関わってもらうという意味も大きいと思います。可能な範囲で意識的に地域や社会の人にわが子に知的障害のあることを知ってもらうことはトラブルを未然に防ぐことにつながることもあるかもしれません。さらに親なきあとを考えるとき、知的障害のあるわが子のことを知り、関りを持ってくれる人の存在や関りは心強いものになるのかもしれません。

次回6月の定例会は「父の日」にちなんで『お父さんはどうかかわってる?』と題し話し合います。お子さんと接する時間が多い分、障害に対する知識も情報量もお母さんが上と、なりがちです。また母親同士のつながりに比べ、父親同士のつながりは希薄かもしれません。父親の育児や家事の参加が叫ばれる昨今、みなさんのお宅ではお父さんはどのように参加されているでしょうか?みんなで話し合いましょう。お父様の参加も大歓迎です。                                                        と き:6月22日(木)10:00~12:00              ところ:育成会生活支援センター(大橋町)