会話ですっきり きらりほっと

今月も職員会議できらりほっとをあげたのですが、笑いが起きたり、「へぇぇ」「ほぉぉ」という声が漏れながら、温かな雰囲気で発表しあいました。

今回は利用者の方との会話から職員が感じたきらりほっとです。

お一人の方には『時間を意識してすごせたらいいなぁ』と時間を決めて話す支援を行っています。話したい気持ちと時間を守りたい気持ちと両方持たれるので葛藤される様子が見られますが、葛藤されながらも次の休憩時間を楽しみにしながら活動に取り組まれます。ある日、職員がこちらからご本人の好きな旅行の話題を伺うと、地図を示しながら目的地までの時間や昼食場所の候補、途中休憩できそうなトイレの場所(しかも旅行で利用しやすそうな広いトイレをピックアップ)など身振り手振りを交えてたくさん教えてくれました。地図や道程が好きであることは知っていたのですが、こんなにもたくさんの知識を持たれているとは驚きで、エピソードを聞きながら「すごいなぁ」という声が漏れました。「また相談に乗ってもらっていいですか?」と話すと、時間を決めたりしていたわけでは無いのですが、サムズアップ(いいねと親指を立てるポーズ)して次の活動に向かわれました。

もうお一人の方は苦手な食べ物や苦手な活動の話題がよく聞かれるので、『色々な人と会話を楽しむためにやっぱり好きなことや楽しいことの話題の方が相手の方と盛り上がれるのになぁ』と思って「嬉しい話がたくさんだといいと思いますよ~」と話をするのですが、やっぱり苦手なことの話題が多いんです。でもある職員が「へぇー、オレンジが苦手なんですか?ブドウはどうです?」「苦手~。でも桃は好き。〇〇も好きよ。あと〇〇も好き~」と自然と好きな話がたくさん出てきました。苦手だという言葉を自然に受け止めて普通に会話が展開していくと、実に好きな話がたくさんでした。

話をするのがお好きな利用者の方に、『時間を上手く意識出来たら』とか『相手と嬉しい話題で会話できるようになったら』など、他の人と会話するときにもお互い楽しくできるようにとの想いを持って支援することがあります。しかし、『時間をきめる』とか『話題の方向性を指摘する』とかではなく、本当に普通の会話の中でご本人がすっきり楽しんでいただくことは大切だなぁ、職員が利用者の方との間に持つ支援の意図が時折不自然になる場合もあるのかもなぁと考えさせられました。

特別な意図など持たずただただ会話を楽しむということは日常のちょっとした“普通のこと”かもしれません。ごくごく自然に会話を楽しまれる利用者の方の嬉しそうな表情に、そして利用者の方が会話ですっきりした姿を見つけられたことに、きらりほっとしました。