心を豊かに…

 「目的もなく、ただ毎日を過ごすだけの人間でした。人間のかっこうをしてそこにいるだけで心のない人間のようでした。心を豊かにするチャンスを持てなかったのです。」

 これは、権利を守るための当事者グループの活動を始めてから、人生が大きく変わったという障がいがある本人の言葉です。

 心を豊かにするってどんなことでしょうか。私たちは障がいのある人たちに対し、いろいろなサービスを提供し、安心して楽しく過ごしてもらえるよう、いろんな支援をしようと努力していますが、そのすべてが果たして障がいのある人たちが望んでいることなのでしょうか。難しいから、危ないからとやらせてもらえず挑戦する機会を与えられなかったり、わからないからと意見を求められず、自分のことを周囲に決められたりすることが多いと、達成感もやりがいも感じられずに、心を豊かにできないということなのかもしれません。そして、いろんな体験やいろんな人との出会いや関わりを重ねながら、心は豊かになっていくのかもしれませんね。

  タイムケアの活動は「体験」を重視していますが、支援者から見た一方的な体験に偏ってはいないか、失敗し乗り越えることも体験だということなど、また考え直してみたいと思います。

 では9~10月の活動からいくつかご紹介します。

 

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